第七章 C.D.の計略
不良ライダー
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いく。
そしてびちゃびちゃとそれを顔にかけて、見下したように鼻で笑ってその場を後にしようとした。
「あー!!それうちのぎゅうにゅー!!」
だが、その彼に幼い声がかかった。
おそらくはこの家の子だろう。
毎朝牛乳を取りに行くのはこの子の役割なのか、それを勝手に持って行っている彼を、幼心ながらに「悪い人」という判断を下す。
「こらー!それはぼくんちのだぞー!!」
そう言って指さし、親に言いつけに家の中に戻る。
まだ家主は寝ているのか、それとも小爆発は屋内にまで響かなかったのか。
ともあれ、この男が子供に指を指されてそんなことを言われ、そそくさと逃げるかのような心の持ち主かといえば――――それは、否と言わざるを得ない。
「黙れクソガキ」
グォッ!と、その子の背中に蹴りを叩き込もうとする。
後頭部に当たれば言わずもがな、背中に当たっても致命傷だ。
それほどに小さな、まだ小学生になったかどうかの少年に、一切の手加減も遠慮もない19歳の蹴り。
しかし、それは少年を庇った海堂のわき腹でとどめられた。
「ぐふっ!!」
「あ?」
あのライダーの小爆発は、確かに規模は小ではあったものの、威力は決して低くない。
爆発の一撃に脳みそはガンガンと揺れ、そのまま気絶してしまいたくなるほどの衝撃。
だが、それでも彼は目の前の少年が、この男に蹴り飛ばされるのが我慢ならなかった。
「あぁ?おめぇオルフェノクのくせに、仲良しこよしかよ?」
「わ、りぃか!!」
「うぜぇ。ほかの人間と仲良しごっこしてるやつとかすげぇうぜェよなァー?例えるならよォー。映画の時だけいいやつ顔してるガキ大将ぐらいにムカつくぜ!!」
「俺をあんな音痴と一緒にすんな」
「他の奴らと仲良しこよしのてめぇを見てるとよォー、みてて腹が立ってくんだよォ!!」
ボコッ、ガスッ!!と、そこからは一方的な蹴りまくりだった。
ただ、海堂は少年にだけは決してそれがいかぬように、身を挺して守っていた。
数十分後。
子供の親が通報した警官が駆け付けた頃には、男はいなくなっていた。
包帯を巻いた海堂は、その場に駆けつけてきた三原に告げる。
「厄介なライダーが出やがったぜ」
仮面ライダー555
-ロスト・モラル-
to be continued
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