第七章 C.D.の計略
不良ライダー
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え、「EARTH」は確かに忙しい。
つい昨日、トゥスクルのヒビキから入った連絡でショウがさっそく現地に向かったらしい。
加えて、どこかの施設だかで加賀美が襲われたとか。
それらの情報収集の他にも、通常業務まであるのだからそりゃ手も足りなくなるという者だ。
「はぁ・・・んじゃ、行くか」
「おう。最初は雑誌「いぬのきもち」のインタビューからな」
「この仕事取ってきたの誰だブッ飛ばしてやる!!!」
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「EARTH」で乾巧がダルそうにテレビを眺めてから、蒔風に仕事もらいに行こうかと部屋を後にしたころ。
朝の牛乳瓶配達というアルバイト中の海堂直也は、住宅街をサイドバッシャーで走り回っていた。
サイドカーの中では、ガチャガチャとビンが揺れている。
あくまでもアルバイト。なのであまり量は多くない。
それに、知り合いのおっちゃんの手伝いに過ぎないわけだし。
来るはずのバイトが、連絡も取れないというのだ。
多少遅れてくる、必ずしも真面目とは言えない奴だが必ず連絡とかはしてくるらしいのだが。
海堂はこう見えて顔が広い。
なんだかんだで世話焼きだからなのだろう。
そうして、このように配りまわっているところなのだが
「おい。オメー何やってんだ?」
「アン?」
住宅の塀の門の前に置いてある、牛乳瓶を入れるケース。
そこに海堂が空き瓶を回収して、配達分を入れて、サイドバッシャーに跨ったところで振り返るとその男はいた。
その男は、ケースの中に手を伸ばして牛乳瓶を一本手に取っていたのだ。
明らかに家の中から出てきたわけではない。その証拠に、その傍に彼の者であろうバイクが一台、サイドスタンドで停められていた。
「そりゃこの家のだろーが。戻しとけって」
「うっせ。喉乾いてんだよ。例えるなら、100メートル全力疾走したみたいにな」
そう言ってポンッと紙栓を取り、勢いよく飲み干していく男。
その飲みっぷりに、止めるべきにもかかわらず「あー」と、手を伸ばして唖然としてしまう海堂。
だがはっと思い出し、男に向かってその肩を掴む。
「おい!!テメェ飲むならちゃんと代金払えや!210円!!」
至極まっとうなことを言い放つ海堂。
だが、肩を掴まれた男は、急に揺らされたために牛乳がこぼれてジャケットにかかってしまった。
すると、気怠そうな男の雰囲気が豹変した。
ぴくぴくと青筋を立て、逆に海堂の胸ぐらをつかんで持ち上げていく。
「テメェなにすんだよ。お?人の服に牛乳ぶっ掛けやがってよォー。臭い取れ
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