第七章 C.D.の計略
ドラゴン 覚醒
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武道館周囲を、無数の車が取り囲む。
理由は簡単。
先ほどのマンティスによる、ネイティブ蜂起の放送のためだ。
同時に、これ以上近づけないのは、奴の呼びかけに応じてここに集り抵抗する、数十名のネイティブワームの為である。
だが、ここにいる誰もが安心しきっている。
たかだか数人。
厄介なネイティブワームだとしても、制圧は時間の問題。
ワームと言えば、対応機関のZECTがある。
仮面ライダーという者たちがいる。
そうでなくとも、この中にはあの「EARTH」の翼人、北郷一刀がすでにいる。
時間はかかるだろう。
手間取りもするだろう。
だが、彼らはきっと《どうせ》
いつだって《まあ結局は》
勝ってすべてを収めてくれる《何とかなるようになってるだろ》
そんな怠惰にも似た安心感が、この場を支配してしまっていたのである。
だが、それは「EARTH」にとっては誇るべきこと。
戦いに苦しまない世界。
戦うことが必要ない世界。
安心できる世界というのは、大切だ。
だが、彼らはこうして安心しきっている、そんな世界だが。
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「是ァァアアアア!!」
「おぉぉぉおおおお!!ご主人様ッ!!」
「行くぞ、翠っ!!」
そんな安穏とした彼らのすぐそこを、一刀と翠は気づかれない別の時間の世界の中で、マンティスとの死闘を演じていたのである。
「まさか、ここまで戦いの場を拡大させるとは思わなかったぞ」
「そっちこそ、ちまちま逃げんな!!」
「我、絆ヲ手繰ル――――!!」
「む」
マンティスを追って、十字槍・銀閃を振るう翠。
だが、マンティスは別段逃げているわけではない。
一刀と翠の猛攻があるからこそ、それに対応した動きがこれだけ広範囲になり、外まで出てしまっていただけのこと。
その中で、翠の猛撃の中から一刀の一手が伸びた。
「絶・・・光・・・」
「あれは・・・」
「――――閃ッ!!!」
「ぉうっ!!」
バチィ!!と、マンティスの装甲を弾き飛ばす一刀の絶光閃。
まだ蒔風ほどの練り込みはできていない故に、貫通するほどの威力はないがその速さは衰えていない。
高速移動中に弾かれたマンティスは、転がりながら肩、膝、背中を打って地面を跳ねていき、しかし最後に地面を殴り飛ばして反転、再び館内へと突っ込んでいった。
勢いよく扉が開かれ、その中へと向かうマンティス。
その後を追って、一刀と翠は駆け抜けていく。
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