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世界をめぐる、銀白の翼
第七章 C.D.の計略
ドラゴン 覚醒
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ガタックにとって、これは負けられない戦い。
マンティスにとって、これは負けるはずのない戦い。

その違いが、両者のこの短い攻防の勝敗を分けたのだ。


だが、それを自覚したうえでマンティスは嗤う。
いいぞ、いいぞと、グツグツと煮え立ってくるこの感情を、咀嚼し、噛み砕き、飲み込み、飲み干し、腹に溜め、全身に還元する。


「素晴らしい障害だ。凄まじい巨壁だ。だからこそ超える必要がある。だからこそ越えねばならない。いいぞ敵。いいぞ人間。お前はやはり、そこの人間よりもなお俺の敵に相応しかった!!」

「御託はいいだろ」

バッ!

「掛かってこい」

「ああ、その通りだ!!」

バッ


カチリ、ガシュッ!!


「「ハイパーキャストオフ」」

《《HYPER CAST OFF!!》》


片や、鋭利に
片や、分厚く


装甲を変貌させ、更なる進化を遂げる二人のライダー。


ガタックとマンティスのハイパーフォームは、その変身中にすでに戦いを開始していた。

おそらくは時間遡行。
変身後の彼ら二人の戦いが、フォーム移行中の彼らの周囲でいくつもの火花を散らしていた。

そして、彼らはそれを見ていた。
見ていた以上、その攻防はすでに不必要だと悟る。


ここの激突。
そっちの火花。
あそこの剣撃。
どこかの衝撃。

それら多くの攻防が彼らの周囲で時の中に爆ぜ、そして変身の完了と共にフッ、と消えた。


(相手の手の内は読めた)

(どう来るか、どういう対処か)

(だがそれがわかっている以上)

(相手もそれを知っている以上)

(それらの攻防に意味はない)

(ならば、放つのはただ一撃でいい)

((それらすべてを飲み込んだ、この一撃。それでいい))

幾多の戦闘で決着がつかないのならば、ぶつかり合うのはただ一撃に終わっていく―――――!!!




《MAXIMUM RIDER POWER》《1、2、3――――》

「ハイパーキック!!」

「ハイパー・・・キックッ!!」

《RIDER KICK》


ダゥッ!!と、地面を蹴って跳ねる二人。
30メートルは離れていたであろう二人の距離は、その一跳ねで一気に縮まった。


回転しながら飛ぶ、ガタックのライダーキックは、空中で放つ回し蹴り。
ガタックとは逆方向に回転するマンティスの蹴りは、空中で放つ後ろ回し蹴り。


その両者の蹴りが、足の表裏を合わせて、互いに最大の威力を発揮するタイミングで接地した。



そして



「う・・・ゴオオオ・・・オォオアッッ!!」

「ぬ・・・ゥりゃぁァアアア!!」

バァン
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