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世界をめぐる、銀白の翼
第七章 C.D.の計略
ドラゴン 覚醒
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のほうが勝つ能力だ。
何せ、その発動に手を伸ばしたところで、先手を打たれてしまえばその動きがどれだけ一瞬でも、彼らにとっては悠久だ。



一刀自身には、この速さに対応する能力はない。
ただ、仲間の力を自分の力として使用する能力だけだ。

故に、彼がそれを発動させようとすると「想起」「顕現」「発動」の段階を踏むことになる。
その段階の速さは短くなっているものの、それでもワンタッチで発動するクロックアップを相手に「よーいどん」では勝ち目は薄い。

だが、流石は一刀も翼人だけのことはある。
停止するはずの手の動き足の動きは、クロックアップの中で遅めのスローモーションで動き続けていた。

踏み込む足。
剣を握る手。
居抜かれる剣。

止まっているともいえるほどのクロックアップの中で、彼のそれらが動いていた。


「お前は気づいたようだな」

その中で、マンティスは届かぬ言葉を漏らす。
ライダークラッシュ、と短く告げ、ついにタオキン粒子が両手の鎌へと集まっていった。


そして、ワイヤーを手にして鎌を投げ付け、一刀の両肩に巻き付ける。
ガキィ!!とその体をロックし、さらに肩の裏に刃が刺さりそれを強化。

そこでクロックアップを解除し、一刀の眼前で立ち止まった。



「ッッ!!!」

「星の速度と同じか。なるほど、凄まじいな」

「まず・・・」

「その凄まじさ・・・・もらったぞ」

《rider crash》

「グァあっ!!」

ガツン!!と、身動きの取れない一刀の首筋に、マンティスのマスクのクラッシャーが押し付けられた。
そして、頭部にせり上がって逆三角形を形作っていた、左右の部位が、まるで打ち付けるかのようにガシュンッ!!と一気に落ちた。

その先端の鋭利な刃は、噛み付いたクラッシャーと共に一刀の肉に突き刺さる。

そして同時に、一刀の身体から力が抜けていく。
エネルギーがどんどんマンティスに吸い取られていき、そしてついに四肢から力が抜け、一刀は自らの足でたてぬほどに消耗してしまった。



「ガッ・・・!!」

「俺のこのツインスライサーは、通常使用であってもわずかずつ敵のエネルギーを吸収する」

「だから・・・か・・・・」

「ああ。お前は実に、俺の動きについてきてくれた。おかげで、かなりいいエネルギー源になってくれた」

「じゃあ・・・・あの、攻撃は・・・・!!」

「ふ。忘れたか?蟷螂の腕は、切り裂くためのものではない」

ガシリと、一刀の身体を掴んでステージへと放る。
そして、その胸を踏みつけて見下しながら告げた。


「蟷螂は戦闘する虫ではない。蟷螂はな・・・・捕食する生き物だよ」

戦い、ですらない
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