第七章 C.D.の計略
ドラゴン 覚醒
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狭い廊下を縦横無尽に跳ねまくり、先へ先へと進む三人。
その中でクロックアップは切れて元の時間に戻るが、彼らにとってそれは些細なこと。
ズシャ!!と地面に跡をつけながら、三人は停止して睨み合う。
ここ30分近く、こんなことの繰り返しだ。
そして、戻って来るたびに視線が増えていることに気付いたのは五回ほど前から。
ネイティブだ。
サナギ体の者もいれば、十数体の内3割近くは生体となっている。
しかもその全員が、ニタニタと笑っているかのような雰囲気を醸し出している。
手出しはしてこない。
敵に加勢するでも、援護するわけでもない。
ただ、眺めているだけ。
何故だ。こいつらも、この状況がわからない奴らではないだろう。
「いや?こいつらはよくわかっている。最後に勝利するのは誰かをな」
「なに?」
マンティスの笑い。
武器は気づけば、長いサイスから短いシックル―――手鎌へと戻っていた。
一対のその武器を、束ねて片手に握っている。
「勝つ方に手を貸す必要は、全くもってないだろう?」
「・・・・・」
この戦いは勝利しかない。
そう自負するマンティスだが、それはない、とも言い切れない一刀。
こいつの襲撃は、午後1時半ごろ。
それから三時間はここで、そして30分が、先ほどのような外に出たり入ったりの攻防。
すでに時刻は午後五時を回る。
空は薄ら暗い程だ。
そしてなにが問題なのかというと、それだけの時間をかけても一刀がこの敵に勝利できていないというのが問題なのだ。
「不思議か?お前がそれほどの力を持っていても勝てないのが」
「チ・・・・」
フフンと笑うようにおどけるマンティス。
その手に握る一対の鎌は、いつの間にかワイヤーでつながっており、プラプラと宙で揺れていた。
「人間は所詮、ネイティブのための奴隷でしかない。お前らのすべてはオレ達のものだ。ならば、その力すらも・・・・!!」
「ッ、まさか!!」
《1、2、3》
「終わらせようか」
一刀の冷や汗と、マンティスのスリータップは同時だった。
バチバチと爆ぜるタオキン粒子は、一度マンティスの頭部へと集約される。
そして行き場を定めぬエネルギーは、そのまま光を発しながら男の指示を待つ。
「翠ッ!!速くここ出て蒔風たちを連れてきてくれ!!」
「ご主人様ッ!?」
ダゥッ!!と、地面を蹴って駆けだす一刀。
すでに躊躇はしていられない。
腰に流星剣を取り出し、疾走と共にそれを振るう。
だが、相手のほうが一手速い。
「クロックアップ」
《clock up》
クロックアップは、先出
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