大一番
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ゅさんも当たってる。ここで絶対止めたい)
とにかくストライク先行で攻めていく。2ボール2ストライクに追い込んだバッテリーは左打者に食い込んでいくスライダーを投じる。
カッ
越智はこれをカット。続くストレートもカットしていく。
(まずい。今粘られると花陽ちゃんの体力が・・・)
肩も肘も心配だが、彼女の疲労度が何よりも心配である。その後も粘られながらも勝負していくバッテリーだったが、3ボール2ストライクからの11球目。
「ボール!!フォア!!」
大きく外れるストレートで四球を出してしまった。
「ツバサ!!あと頼むわよ!!」
ネクストにいる少女に激励を送り一塁へ向かうチームメイト。その姿にツバサは思わず笑っていた。
「あんじゅ、私も繋いでいくわよ」
「そんなことしなくていいわよ」
みんなで繋いで当たっているあんじゅに回そうとしたツバサだったが、あんじゅはそれを断る。
「この試合の主役は私でも英玲奈でもない。あなたよ、ツバサ」
「私が?」
「そう。この球場には孔明さんも来てる。見せてあげなさいよ、彼の後継者は誰でもない、あなただってことを」
スタンドの青年の姿を見上げるツバサ。彼女の瞳に映るのは真剣な表情で試合を見つめ続ける憧れのヒーロー。その姿を見ただけで彼女の気持ちは昂っていく。
「決めさせてもらうわ、あんじゅ」
「えぇ、行ってらっしゃい」
仲間に送り出され打席へと向かう小さな背中。その姿に、皆全てを委ねた。
『13回の表、UTX学園2アウトながら大きなチャンスを得ました。ランナー一、二塁、打席には先程ライト前へあわやタイムリーを放った綺羅。ここまで好投を続ける女子野球最速投手は果たして自らの手で試合を決めることができるのか!?』
両校この日1番の盛り上がりを見せる。向かい合うはこの試合を支配してきた2人のエース。どちらの手に軍配が上がるか、緊張が走る。
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