ペルソナ3
1917話
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当然のように有里のファンとも敵対する事になる。
しかも周囲で喋っている内容は、3人の女達にも聞こえる程度の大きさなのだ。
そんな周囲で話している言葉を嫌でも聞かされた3人は、羞恥か怒りか分からないが、顔を真っ赤に染めて自分の陰口――聞こえるように言うのも陰口というのかは分からないが――を言っている周囲の女達を睨み付ける。
だが、数では圧倒的に有里のファンの方が勝っている以上、それで退くような真似はしない。
それどころか、こちらもわざと聞こえるようにクスクスとした嘲笑が周囲に響く。
「風花、あんたねぇ……私達にそんな態度をとってもいいと思ってるの?」
ビクリ、と。
女の1人が呟くと、有里の後ろに隠れている山岸の動きが止まる。
……何か弱みでも握られてるのか?
「止めなさい、今はもういいから、行くわよ」
「え? ちょっと、夏紀。いいの?」
いいのかという仲間の女に、だが夏紀と呼ばれた女は特にそれ以上何も言わず、去っていく。
他の2人も、主導的な立場にいるのだろう夏紀という女がいなくなった以上、ここにいても意味はないと判断したのか、すぐにその場を去っていった。
取りあえず今のやり取りを見て思ったのは……女って怖いという事だろう。
有里の敵には容赦しないと、そんな様子のやり取り。
そして有里の前から3人の女がいなくなったのを確認すると、それぞれその場を去っていく。
中には有里と短く言葉を交わしている奴もいるのだが……役得って奴か?
不思議だったのは、思っていたよりも有里に庇って貰っていた山岸に対して嫌悪感を抱いている女がいなかった事か。
有里のお気に入りという感じで、ファンクラブの女達には嫌われるのかと思ったんだが。
「どうしたの?」
ちょうどそのタイミングで弓道部のミーティングから戻ってきたゆかりが、そう声を掛けてくる。
もうテストも終わって下校している者も多いのに、何故か廊下にこうして生徒達が集まっているのが不思議だったのだろう。
「ちょっと山岸がな。幸い、結果的には特に何があった訳でもなかったけど」
「……ああ」
俺の短い説明で何があったのか理解したのか、ゆかりはそれ以上言葉を発する事はなかった。
まぁ、ゆかりも色々と人気が高いのを見る限り、今の有里と同じような経験をしているのだろう。
「それで、打ち上げはどこでするか決まったの?」
「あー……いや。おい、友近。どうするんだ?」
「うーん、候補としては、カラオケ、アルマーの部屋、ファミレスといったところか。どこがいい? 多数決で決めようぜ」
俺、ゆかり、有里、山岸、友近。
5人いるのを考えると、多数決をすれば決まらないって事はないだろう。
ああ、でも2:2:1とかにな
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