第二章
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「この度のことは」
「そうしてか」
「はい、ことの真実を明らかにしたいのです」
是非にと言うのだった。
「若しそれで皇后様と洋妃様が実際に公主様を殺していれば」
「その時はか」
「陛下のお考えの様に」
皇后や洋妃を遠ざけるなり罰しろというのだ。
「そうされるべきです、しかし」
「皇后と洋妃が殺していないとなるとか」
「処罰されませんね」
「無論だ、無実の者を罰するのは法ではない」
皇帝も宋に強い声で答えた。
「断じてな」
「ではです」
「この度はか」
「それがしが調べます」
こう皇帝に言うのだった。
「そしてそのうえで」
「真実を明らかにしてか」
「全てを申し上げます」
「わかった」
皇帝は宋のその言葉を受けて頷いて応えた。
「では必ずことを明らかにせよ」
「そう致します」
こう言ってだ、宋はすぐに後宮に入り彼が信頼する宦官の者達も用いこの件のことを調べはじめた。
するとだ、面白いことがわかった。
「公主様が殺された日はか」
「はい、皇后様はご自身のお部屋から出ていません」
「朝から夜までご自身に仕えている宮女達と話をしてです」
「食事も共にしていました」
「洋妃様のお部屋には行っていません」
「仕えている主な宮女達もです」
彼女の周りにいる者は全てというのだ。
「誰一人としてです」
「洋妃様のお部屋には行っていません」
「皇后さまのお部屋と洋妃様のお部屋は離れていますが」
「その日はでした」
「そうか、では皇后様の疑いが張れた」
宋はこのことを確かとした。
「このことはよかった」
「はい、そしてです」
「藍妃様ですが」
「あの方が公主様をその日あやされています」
「そうしていますが」
今度は藍妃のことが話された。
「一つ疑問があります」
「藍妃様のお手は小さいですね」
「あの方は小柄な為」
「うむ、あの方はかなり小さい方だ」
武人の家の出であり逞しい者が多い宋だが彼自身結構な背である、その彼から見ると藍妃は相当に小さい。
「子供の様な、な」
「その藍妃様が絞められたにしてはです」
「公主様の首にあった締められた後は大きいです」
「手で首を締めていますが」
「その手にあった跡は」
首を締めたそれはというのだ。
「それは随分」
「我等も調べましたが」
「あの方の手には思えませぬ」
「むしろ女の手にしては大きいです」
「その締めた跡は」
「そしてその手の大きさですが」
「洋妃様のお手は大きいな」
ここでこのことを言った宋だった。
「そうだな」
「はい、実に」
「あの方のお手は」
「あの方の背の高いこともあり」
「その為」
「しかもです」
宦官の一人がこうも言ってきた。
「皇后様と藍妃様の噂です
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