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調子の秘密
第三章

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「そこはね」
「そうだね、じゃあね」
「うん、眞鍋君のこと以外にもね」
「ちゃんとやっていくよ」
「頑張ってくれよ、そっちも」
「そうさせてもらうよ」
 事務課長は笑顔で応えた、そうして彼の仕事をしていった。そして香澄の方もであった。その夜交際相手と一緒に自分の部屋でゲームをして遊んでいたが。
 時間をチェックしてだ、こう彼に言った。
「もうすぐ十二時でしょ」
「じゃあ今日はだね」
「もう寝ましょう」
「君いつも十二時になると寝るね」
「しっかり寝ないとね」
 香澄は彼に真面目に返した。
「どうしてもね」
「疲れが残るからだね」
「私疲れが残ってるとね」
 それでというのだ。
「どうしてもお仕事がね」
「能率が落ちるよね」
「そうなるから」
 自分でわかっていて言うのだった。
「だからね」
「十二時はだね」
「寝るのよ」
「じゃあだね」
「今日もよく寝て」
「明日もだね」
「しっかり働くわ、あなたと一緒にお風呂も入ったしね」
 入浴の話は笑ってした。
「明日も朝起きてしっかり走って」
「それから大学に行って」
「働くわ」
「頑張ってね、じゃあ僕もね」
「また論文書くのよね」
「修士論文は評判がよかったけれど」
 それに慢心せずにとだ、彼は香澄に少し真剣な顔になって話した。
「もっとね」
「いい論文を書くのね」
「そうしたいから」
「学んでそして」
「書いてるよ」
「じゃああなたもね」
「今日はしっかり寝て」
 交際相手も香澄に応えた。
「そうしてね」
「論文書いてね」
「そうするよ、それで君もね」
「よく寝るわ、それで今日の疲れを取って」
 また言う果須美だった。
「明日も頑張るわ」
「そうしてね、ただ日曜はね」
「ええ、その日だけはね」
「お互いどうしても遊ぶから」
「休みの日は遊ばないとね」
 どうしてもと言う香澄だった、今は少し苦笑いになっていた。
「心の方がね」
「疲れるからね」
「どうしても遊ぶけれど」
「月曜はあれだよね」
「疲れてるわね」
「それは仕方ないかな」
「やっぱりね、けれど今日はね」
 月曜でないこの日はというのだ。
「よく休むから」
「よし、じゃあ寝ようか」
「ゲームセーブして電源も消して」
「お部屋の灯りも消してね」
 そうしたやるべきことを全て済ませてというのだ。
「そうしてね」
「寝ましょう」
「ゆっくりとね」
 二人で話してそうしてだった。
 香澄は交際相手と共にじっくりと寝た、そのうえで次の日に向かうのだった。仕事の能率が落ちない様によく身体を休めたうえで。


調子の秘密   完


                   2017・12・23
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