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三本尻尾の力
第二章
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「居眠り!?」
「だとしたらまずい、あんなのが学校の中に突っ込んだら」
「子供達が轢かれる!それだけじゃない!」
 狐はさらに言った。
「転倒でもしてオイルに引火したら」
「大爆発を起こすぞ!」
「小学校はどうなるんだ!」
「これは大変だ!」
「よし、こうした時こそ!」
 まさにとだ、狐は印を結んでだった。
 そこから即座にだ、妖術を繰り出してだった。
 彼はすぐにだ、その妖術でタンクローラーを停めた。ここで運転手も何とか目を覚ましてことなきを得た。
 狐の妖術で大きなタンクローラーは道路のところで停まって事故にはならず誰も怪我もしなかった。まさに彼の功績だった。
 しかし彼はこのことについてだ、商店街を共に歩く大阪の市民達に対して明るいがこう言うだけだった。
「いや、子供達が助かってね」
「よかった」
「そう言うんだな、あんたは」
「あんたが助けたんじゃなくて」
「子供達が助かった」
「そのことがよかったって言うんだな」
「そうだよ、本当によかったよ」
 あの時のことを思い出して胸を撫で下ろしているのが顔にも出ていた。
「一時はどうなるかって思ったからね」
「だからか」
「心からそう思うからか」
「それでいい」
「あんたが助けたって誇らないんだな」
「誇ってどうするんだよ」
 それがと返す狐だった。
「おいらは大阪を護る戦士なんだよ、だったらな」
「これは当然のことでか」
「誇らずにかい」
「その三本尻尾の力でこれからもか」
「子供達を護っていくのかい」
「そうさ、それがおいらのやるべきことだからな」
 大阪二十六戦士の一匹だからこそというのだ。
「これからもな」
「やっていくか」
「流石は大阪二十六戦士の中にいるだけあるな」
「あんた凄いよ」
「立派だよ」
「立派じゃなくて当然なんだよ」
 やはりこう返す狐だった。
「若しあそこでおいらが何も出来なかったらな」
「その時はな」
「考えるだけでも怖いな」
「タンクローラーの運転手さんもびびってるしな」
「ついつい居眠りをして、って」
「何もなくてよかったよ」
 また心から言う狐だった。
「じゃあまたこうしたことがあったらな」
「妖術を使ってか」
「子供達を助ける」
「そうするんだな」
「ああ、そうするさ。じゃあ今からな」
 ここまで話して笑顔になった狐だった。
「和菓子屋さん行ってな」
「和菓子買って食うか」
「そうするんだな」
「うちのかみさんと息子の分もな」
 自分だけでなくというのだ。
「買ってな」
「そうしてか」
「家族で和菓子食って楽しむか」
「そうするんだな」
「ああ、たまにはそうしないとな」
 笑顔でこうも言う狐だった。
「家族なんだからな」
「そうだな、じゃ
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