第二章
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おばさんにバッグを渡して言った。
「このバッグそなたのものであるな」
「はい、そうです」
「そうか、ひったくりは今わしが成敗した」
バックドロップを受けたひったくりはアスファルトの中に頭を埋もれさせて逆さに立ったまま気絶して秀吉の後ろで背景になっている。
「そしてバッグもだ」
「今ですね」
「わしが取り返した、しかしじゃ」
秀吉はおばさんにさらに言った。
「これからは油断するでないぞ」
「ひったくりにですね」
「そうじゃ、くれぐれもな」
このことを注意してからだった、秀吉は何処かへと飛び去った。そうして次の日にはいじめっ子共をだった。
一撃でビルの壁に埋め込ませてだ、こう言った。
「二度とせぬな」
「は、はい・・・・・・」
「痛いですから」
「もうしません」
「二度と」
「そうせよ、今度すればこんなものでは済まぬ」
壁画になっている彼等に言った。
「よいな」
「わかりました」
いじめっ子達も誓った、大阪の悪は秀吉により次々と成敗されていき街の治安はかなり改善されていた。
しかし普段の秀吉はどうかというと。
大阪城公園で子供達を集めてだ、彼は昔話に興じていた。
「それでわしがな」
「うん、高野山に行ってだね」
「そうしてだね」
「お参りをして」
「お米を出してもらってだね」
「そこまでしていらんと言ったのじゃ」
子供達に茶や菓子を出して共に飲み食いしつつ語るのだった。
「わしの力ではそれ位出来てもな」
「そこまでしてだね」
「太閤さんはいらないって言ったんだね」
「好きなものでも」
「そうまでしては」
「そうじゃ、力があってもな」
例え天下人として絶対的なものを持ってもというのだ。
「その力の使い方が大事なのじゃ」
「使い過ぎたら駄目なんだ」
「自分の思うままに」
「好き勝手に使ったら駄目なんだね」
「使い方を考えろ」
「そういうことだね」
「そうじゃ、そこはお主達も大人になったらな」
成長してそうなった時はというのだ。
「しかと守るのじゃ、よいな」
「強くなってもだね」
「好き勝手したらいけないんだね」
「ちゃんとしたことに使わないといけない」
「そういうことだね」
「そういうことじゃ、しかし今の菓子は美味じゃのう」
秀吉はみたらしを食べつつこうも言った。
「幾らでも食べられるわ」
「うん、じゃあね」
「皆で食べようねみたらし」
「太閤さんが一杯買ってきてくれてるし」
「沢山食べようね」
「わしはケチなことはせんぞ」
明るく笑って言う秀吉だった、その笑顔は実に愛嬌があり親しみやすく大阪の子供達も好きになっていた。
「こうして飲み食いする時はじゃ」
「沢山食べるんだね」
「それも皆で」
「そうするんだね
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