最終章:夢を追い続けて
第63話「いざ、決戦の時」
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後ろから聞こえる音を気にしながらも、最深部へと駆けていく秋十と箒。
「…いかにもって扉だな」
辿り着いた所には、今までの自動開閉の扉と違った、仰々しいものだった。
左右に開くタイプで、ご丁寧に手動のためのドアノブもあった。
「この先に……いるのか?」
「……さぁな」
意を決して、扉を開ける。
「…暗いぞ?」
「……そうだな」
部屋の中は、薄暗かった。
扉の外からの光がなければ、何も見えなかった所だろう。
ギィイイ…バタン!
「っ…!」
「全く見えない……扉も開かない…か」
すると、勝手に扉が閉まり、閉じ込められた状態になる。
何かの演出か?と秋十が思った矢先に……。
「3D投影型の松明……おまけに、和風の部屋……」
「まさか…」
火事や酸欠を考慮した光源と、基地にそぐわない和風の雰囲気。
そして、突然展開される陰陽玉模様の魔法陣のようなもの。
「……よく来たね。箒ちゃん、あっ君」
「やはり、姉さん…!」
「まさか、この演出のためだけに…」
魔法陣の光が治まると、そこには和装の束が立っていた。
ちなみに、メカニックな兎耳も和風チックになっていた。人工的なのは変わりないが。
「ふふん!その通り!いいでしょ?この最終決戦風の部屋は!」
「和風なのは…今の箒に合わせてか…」
「っ……」
そう。箒の今の服装は、動きやすい和装だった。
篠ノ之流次期当主として鍛え直した際の結果との事だが……それは余談である。
「SFチック、ファンタジー風とかを見せてきた束さんも、日本人だからねぇ。箒ちゃんの事も考えて、こうしてみたんだー」
「そのため、だけに…っ!」
あっけらかんと言う束に、箒は呆れが極まり震える。
「…最終決戦だからこその特別衣装。その方が面白いでしょ?」
「こんな時まで、ふざけると言うのですか…!姉さん!」
「ふざけてなんかいないよー。……最後の戦いなんだから」
「っ……!」
その瞬間、束から強い剣気が発せられる。
天才故にいつもふざけていた束が、真面目に“戦闘”を始めるのだ。
「箒ちゃん……ううん、篠ノ之流次期当主、篠ノ之箒。剣を構えて」
「っ……姉さん…!」
「決着ぐらいは、真面目にやるよ」
剣を構えた箒に、束は苦笑い気味にそういう。
「……あっ君は、あっ君で決着を着けてきなよ」
バン!
「……えっ?」
「秋十!?」
「また古典的なぁぁぁぁぁ………!?」
床が開き、秋十はツッコミを入れながらも落ちていった。
「あっ君が辿り着く先は、天才と凡才が決
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