最終章:夢を追い続けて
第63話「いざ、決戦の時」
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「……世界中を敵に回し、脅迫染みた声明を出す事で、ISの扱い、世界中の風潮を変える。そして、ISを本来の宇宙開発に仕向けた……ここまではこの場にいる全員が知っているわよね?」
「……うん」
察しが良ければ誰でもわかる事だ。
だが、その続きは……束と桜の本当の思惑は誰も知らなかった。
「…けど、世界的に指名手配されてしまったら、例えISが宇宙開発に使われるようになっても、彼らの望みは叶わない」
「……ISに乗って、宇宙に飛び立つ事…だね」
「指名手配されてるもの。彼らならその上で飛び立つ事は可能としているけど……それでは意味がないんでしょう?」
「…うん。結局は、それは“縛られている”立場だ。……自由に羽ばたく事を夢見たあの人達にとって、それでは意味がない」
楯無の確認の問いに、シャルロットが答える。
「だから、“捕まらなければならない”。世界的指名手配と言う立場から降りなければならない。……そのために、ここを用意した」
「逃げ回るだけなら、あの人達ならいくらでもできる。それなのに、態々基地を作ったのはそう言う事だね」
「……でも、それと足止めのなんの関係が?」
今いる場所を舞台として用意したのは理解できた。
しかし、それでは足止めをする大した理由にはならないと、簪は聞き返す。
「…ここからは、彼らの単純で些細な希望よ。……多勢にでも、追いすがる才能持ちでもない。……凡人である秋十君と全力で戦って、その上で打ち負かして欲しいって言うね」
それは、この場において自分勝手と言える願い。
だけど、子供っぽさの残る二人であるならばおかしくはないと、楯無は思っていた。
「さすがは更識家当主。その通りよ」
「変に難しく考えてたのが馬鹿らしいわね。…まさか、そんな些細な“我儘”のために私達を足止めしただなんて」
“秋十と全身全霊で戦う”且つ“秋十に敗北する”。
…その二つを狙って、三人以外を足止めしたのだ。
「千冬さんと箒ちゃんを行かせたのは……二人にふさわしい相手が別にいるから…って所かしら?」
「……束さんと、私の両親だね」
「正解!…さて、答え合わせも済んだ所だし……」
スコールの言葉と共に、後ろに控えていたゴーレム二機の目の部分が赤く光る。
……それが、開戦の合図だった。
「マドカァァアアア!!」
「っ、オータム!」
ブレードを構えたオータムが、一気にマドカに襲い掛かる。
すぐさまマドカも応戦し、ブレード同士がぶつかり合う。
「ちょうど良かった!てめぇとは決着を付けたかったからなぁ!」
「それはこっちのセリフだよオータム!」
一瞬、突然の戦闘開始に戸惑ったラウラと簪だが
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