暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第63話「いざ、決戦の時」
[1/9]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話





       =out side=







「……そうか、来たか」

「ちょっと遅かったねー」

「まぁ、これくらいは待たないとな」

 とある島の基地で、桜と束は接近する存在に気づいた。

「……皆さん…?」

「ユーリちゃんは奥の部屋にいておくように。もし、危険が迫れば脱出ボタンを押せばいいよ」

「……行くんですね?」

「ああ。……決着の時だ。これで、事態は収束する」

 ユーリに背を向けて部屋を出る桜から、大きな覚悟が感じられていた。
 “事態は収束する”。それは、まるで自分がどうなるかを予期しているようで…。

「………」

「案ずる事はないよ。……きっと、皆で幸せになれる未来を掴んでくれる」

「……束さん達自身では、掴まないのですか……」

「私達は……ちょっと手遅れだしね。いつもいつも自分一人で何とかしようとしてたんだ。偶には、他力本願になるよ」

 そういって、束も部屋から出ていく。

「……もう、いつも自分勝手なんですから……」

 残されたユーリは、そう呟いて言われた通りの部屋に向かった。
 一粒、頬を伝った水滴を床に落として。















「………」

 一方、秋十達は、かねてより予定していた方法で島に上陸していた。
 武装は持ち運べる最低限。後は全て自身の身一つで作戦を遂行せねばならない。

「隠密行動はほとんど意味を為さないと思え。どうせ、あいつらにはバレているだろうからな」

「……分かってる」

 千冬に改めて言われるが、それは百も承知の事だった。
 元より、相手には天才が二人もいる。
 こうやって侵入経路があるのも、態とだろうと言うのが全員の意見だ。

「(基本は武力による制圧。だからISは使う事ができない。己の身体能力を駆使しなければならない……か)」

 制圧に来ている面子は、以前元IS学園に集まった者+腕利きの武装集団だ。
 大きな組織すら制圧し得る戦力でこの場に来ている。
 しかし、それは桜たちがゴーレムなどを繰り出した場合はほとんど意味を成さない。
 ISに大きく劣ると言えど、ゴーレムは生身では到底太刀打ちできないからだ。
 対抗できるとしたら、人の領域を踏み外しているレベルでなければならない。

「(尤も、それは向こうも同じはずだ)」

 ISの意志は、例え相手が生みの親でも貫く。
 いくら桜や束と言えど、ISを武力として扱う事はできない。
 そして、ゴーレムと言う破壊力の高いロボットを使えば、基地が壊れてしまう。
 束達の基地は地下にも展開しているため、生き埋めになる可能性も高い。

【……よく来たな
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ