第3話 こんなボーイ・ミーツ・ガールは嫌だ
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に、俺だって予想外の展開だったんだぞ!」
「で、でも見たじゃない! エッチ! スケッチ! ワンダーランドっ!」
「なんだよその夢の国!? エッチなワンダーランドって――ちょっと行ってみたいんですけど!」
微妙に話が脱線しようとしていた。
「まぁしかし、こんな形で外部の人間に知られてしまうとはのぅ」
そんな二人の平行線(?)な会話を見兼ねてか、稟吾郎丸が口を挟む。ちなみに彼はその人柄と名前の長さから、龍太に「ゴロマルさん」の愛称で呼ばれている。
「そう、それ……。救芽井が変身してたあの姿。あれって、最近町で噂になってるスーパーヒロインだよな? まさか本物に出くわすことになるとは思わなかったよ」
「く、くうっ……。まさかよりによって、初対面で裸を覗くような変態君に正体を知られるなんてぇ……」
勝手に付けられた不名誉なあだ名に、龍太は思わず眉毛を吊り上げた。
「だから、その呼び方勘弁してくれよ! 事故なんだってば!」
「なにがどう事故なのよぉー! 思いっ切り私の身体見てたじゃないっ! まだ十五なのに、お嫁に行けなくなったらどう責任取るっていうのっ!?」
とうとう顔を両手で覆い、泣き崩れてしまう樋稟。女に泣かれてしまっては、龍太としては手も足もでない。
「うう……頼むよもう、堪忍してくれよ……」
助けを求める彼は、樋稟の横にいる稟吾郎丸に縋るような視線を送る。
しかし、龍太の腰程度の身長しかないほどの小柄で、サンタのようなボリュームたっぷりの白髭が特徴の老人は、無言で「お手上げ」を主張するだけだった。
「さっき話したとは思うが、わしらは着鎧甲冑の技術漏洩を防ぐためにこの町に来たのじゃ」
「あ、ああそう! それそれっ! あんた達が作ったメカを兵器にしようとする奴がいて、そいつがこの町にいるんだったっけ?」
せめてもの助け舟として、稟吾郎丸は別の話題を振る。これ幸いと話に乗っかる龍太は、彼らから素性を聞かされていた。あらゆるトラブルや火事に颯爽と駆け付け、人々を救う噂のスーパーヒロイン――その正体を見られた以上、ごまかすことはできないからだ。
◇
着鎧甲冑――それは、科学者の家系である救芽井家が開発した、最新鋭レスキュースーツの別称である。
かつて地震や火災に苦しめられた経験を持つ樋稟の両親が、「どんな危険な場所であっても、そこで助けを求める人々に手を伸ばせる存在を生み出したい」という願いを込めて、作り出したものなのだという。
着用すれば超人的な身体能力を発揮し、炎も瓦礫も突破してしまう。さらに、エメラルドに輝くブレスレット型ツール「腕輪型着鎧装置」を介して、粒子化されて収納されている着鎧甲冑を瞬間的に
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