防人のミステイク
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ッド! イクス・イズ・ゴッド!」」」
『え、あ、うぅ……ま、待って……! こ、これは……本当に恥ずかしい……です……! 皆で連呼はホント、勘弁してください……!』
いじめかッ!! ってツッコミを入れたいところだけど、今の私は半分自棄でノってたりする。アレだ、気を紛らわせないとやってられない気分というか、黙ってるとずぶずぶと落ち込むからこうでもしてないと本当に生きる気力を失いそうだった。まぁ、イクスが真っ赤な顔で可愛い反応を示してるおかげで、ほんのわずかだけど精神は持ち直せた。
「そうそう、今フッと思い出したけどこれ荷物運びの給料ね。忘れない内に渡しておくよ。それと伝言、『色んな意味で大変だろうけど、めげずに頑張ってくれよ』だってさ」
「あ、そう。変なタイミング……」
「ん〜やっぱりもうしばらくは立ち直れそうにないかい?」
「そりゃあ簡単には吹っ切れないよ。ねぇ、シオン。なんでマキナのこと……教えてくれなかったの?」
「訊かれなかったから、というのは冗談。本当は当初の予定通りにミッドを出た後、適当に落ち着いた頃にでも伝えるつもりだった。だから彼女の襲撃は完全に想定外だったんだ」
「私を襲ったあの少女、ユーノ・スクライアに高町なのはって呼ばれてた。彼女がマキナの仇なら……私は……」
「仇なら、どうしたい?」
「ケイオス……?」
「シャロンが言うなら、俺はやるよ。例え世界全てを敵に回そうと、俺はあんたの望みを叶える」
ケイオスのその言葉を聞いて、私の胸の中に芽生えた“報復心”が鎌首をもたげる。私自身が戦いに向いてない以上、彼に復讐を任せるのも確かに一つの手だろう。でも……私が復讐の道を選んだら、大切な何かが失われる予感がしていた。その上で復讐を成し遂げたいかと訊かれたら……正直わからない。まだ結論は出すなってことかな。
「戦争が人を変える……人を怪物にする」
「何ブツブツ言ってるの、シオン」
「少し前、この言葉をドレビン神父が言っててね。なぜか今思い出して、ちょっと口に出しただけ」
「ふ〜ん」
人を怪物にする、ね……。怪物と聞いて思い当たるのはファーヴニルやヨルムンガンドと、ラタトスクに高町なのはだ。……そういえばあの時、シオンは『リトルクイーンは高町なのはの負の側面が自立した人格を得て誕生した』と言っていた。おおよその経緯などを考慮すると、善と悪の二重人格を扱った小説『ジキル博士とハイド氏』における悪人格“ハイド”にあたる存在が、高町なのはにとってのリトルクイーンってことなんだろう。
逆に善人格“ジキル”にあたる存在は高町なのは本来の人格なのかもしれないが……魂が破壊されて外に流されたらしいからなぁ、復活の可能性は限りなく低いだろう。というか復活
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