防人のミステイク
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はそう大したことでもないか」
ケイオスはかつてマキナと少しの間旅を共にしていた頃に、土産物屋でサーフィンボードに乗るサンタのフィギュアを見たことを思い出した。あのボード、そういや南十字星の模様がついていたなぁ、と今更な感想を漏らす。
『このサンタって波乗りしながらプレゼント配るのかな? こう……ヒーハー! プレゼントの配達だぜベイビー! 的な!』
「(こんな事を言っていた彼女に、元ヤンか! とアギトがツッコミを入れて、二人して腹を抱えて笑っていた。俺は……その笑顔を守りたいと思った。そのために俺は今の世界を知る必要があった。だからマウクランのマザーベースに行って、レヴィ隊長の所に配属されて……人らしいことをたくさん学んだ。確かに俺は人間らしくなれたが……最初に望んだことは出来なかった。最善の道が最善の結果を生むとは限らない、か……)」
『聴くが良い、晩鐘は汝の腹を指し示した。飯を出せ!!』
「おっと、そういや夕食時だ。状況はアレだけどご飯食べようか」
パソコンを操作していたシオンの端末から、なんか首を切られそうな着信ボイスが響いた。こんな状況なのに飯食ってて良いのか、色んな意味でツッコミどころ満載なんだけど……腹が減っては戦は出来ぬとも言うし、解析にも時間がかかるそうだから、これはこれで実は最良なのかもしれない。
道具も材料も無いので流石に料理はできないため、ケイオスとシオンがアウターヘブン社生産の携帯食料の赤レーションを取り出し、私にも分けてくれた。そういやこれ、サバタさんがマテ娘と作った麻婆豆腐のレシピが使われてるんだったね。久しぶりに食べたけど、あの時のものと比べて辛さが若干マイルドになっていた。やっぱり激辛では受け入れられなかったか……。
「いや、激辛のもあるよ。ただ需要と供給のバランス的に、配布数が少ないだけ」
あ、そうなんだ……。私はあまり濃い味は好みじゃないけど、ザジは辛党だから激辛麻婆豆腐は好みの味だろう。……想い人補正もあるかもしれないけど。
余談だが、アウターヘブン社の人は戦闘中だろうとお構いなしにカップ麺やレーションなどで食事をする。カップ麺をすすりながら銃を撃つ彼らの姿はどことなくシュールだろうが、それは決して隙にはならない。何度も言うようだけど食事は普通、戦闘中にしないものなんだが……ジャンゴさん並みに早食いできる彼らは、銃弾やレーザーに撃たれようが構わずに食べる。例えLIFEゲージが尽きる攻撃を受けようが、レーションさえあれば彼らは倒れることなく一瞬でLIFEを回復させる。食料がある限り、決して死なないのだ。
……PMCはすごいなぁ、わたしにはとてもできない。
「そういえばさっきからずっと疑問に思ってたんだけど、今訊いてもいいかな? シャロンってリンカーコアを
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