防人のミステイク
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、いい加減シャロンの傷を治療しよう」
とりあえずシオンが治癒魔法を発動し、私達の体力を回復する。イクスのバトルドレスも解けて私服に戻った私は、民主刀を鞘に納めて……。
「共和刀、奪われちゃったか……」
鞘が片方開いてしまい、何とも収まりのつかない状態になっていた。……まぁ、予備の鞘ってことにしとこう。
一応安全かどうか周囲の様子を探るべく、入り口の扉を少しだけ開けてみる。相変わらず戦闘音が凄まじいが、耳を澄まし、外の声を細かく聞いてみると魔法が急に使えなくなった、という話が聞こえて来た。確かにちょっと外を覗くと、視界に映った局員は前衛後衛関係なく全員が魔法を封印されており、文字通り普通の人同然となっていた。
「これ……世界規模の絶体絶命って奴かな……? ―――あっ」
「おっと」
膝からガクッと倒れかけた私をさり気なくケイオスが支える。その様子を見たシオンはしばし私の身体を眺め、考えを口にした。
「気を張り詰めた戦闘を長時間したせいか、全身に疲労が溜まっている。大人しくケイオスに身を任せておくと良い」
「ん、俺は構わない。それにシャロンって軽い……むしろ軽すぎる。ちゃんとご飯食べてる?」
「食べてるよ……少なくとも世紀末世界にいた頃は」
これでも一応、ジャンゴさんのホームの台所を預かっていた身だ。大抵のものは材料と料理道具さえあれば肉じゃがだろうがグラタンだろうが、どこにいてもポンッと作れる。栄養バランスも考えて作ってたし、時々スミレにも料理を教えていたんだから、世紀末世界での食生活に関しては問題は無い、むしろ改善させたとさえ思っている。
……どこかの王子の軍師みたい? じゃあ私はキャンプ地とかで便利なバフ付きの料理を御馳走するのかな。
「それにしても、このままだと地上が全滅するのも時間の問題だね……。……仕方ない、ちょっとジャンク漁りに行ってくる」
「ん、いってらっしゃい」
何か考えがあるのか、シオンが一時的に外へ出て行った。ひとまずケイオスと共にその場に座り込んだ私は、一応ではあるが戦闘の緊張が少し落ち着いてきた……。そして……とめどなく涙があふれて来た。
『私はマキナ・ソレノイドの心臓を喰ったんだ』
マキナが……死んだ。死ん……でた。彼女の……高町なのはのせいで、マキナは……。
『彼女の心臓は極上だったよ……喰った瞬間、全身にすっごい力が溢れて来たんだから』
嘘に決まってるウソにしか思えないそんなはずウソを言ってるんだそうに違いない。
マキナがマキナでマキナニハマキナヲ……!
死ぬはずが死ぬはずが死ぬ筈がしぬはずが筈が筈がハズがハズガナイ!
「マキナがシンだハズガナイよネ……?」
「シャロン……!」
震える私の手
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