防人のミステイク
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』
「要するに、ミッドの外にいる人達次第なんだね。でも……正直無理なんじゃないかな……。確かに一応、外の世界に私達の知り合いもいるっちゃいるけど、その人達だけでフェンサリルの協力を得られるかって言われると……。だって元々ミッドチルダないし管理局は、フェンサリルにとっては侵略者なんだし……」
『都合の良い話だが、過去の遺恨とかその辺りはアウターヘブン社がどうにかしてくれると信じるしかない。あともう一つ、今回の襲撃でふと気づいたんだが、停戦協定の返答が一ヶ月後までというのは、“こちらの意思決定を待つ”という意味じゃなくて、“その日まで生き延びれたら降参を受け入れてもいい”という意味だったのかもしれない』
「何それ……つまりそれまでの間はこっちを散々なぶり殺しにするってことじゃん! 公爵はヒトを何だと思ってるの……!」
『少なくとも対等には見ていないだろうな……ん? エイミィ、ギジタイに動きが……!』
地上にいるクロノと宇宙にいるエイミィ達は、静かに挙動を始めたギジタイを眺め、事態の変化を見守った。やがてギジタイから柱のようなものが飛び出し、地上へ向けて突き出る。直後、柱の先端部がパラボラアンテナに展開、そこから暗黒物質や電磁波などが滝の如く放出され、ミッドチルダの天候に影響を与え始めた。
『首都を中心に雲が集まっている……雨でも降らせる気なのか? 雨……雨……公爵のことだ、これにも何か重要な意味があるはず……雨……ハッ! そうだ! 昔、サバタから聞いたことがある。世紀末世界の雨には暗黒物質が染み込んでいて、生身の人間が浴び続けると太陽の戦士ジャンゴでも悪影響を受けるのだと……!』
「悪影響……!?」
『エイミィ、アースラは現宙域でギジタイを監視! 僕は地上の人達に雨を浴びないよう、急ぎ伝える!』
「りょ、了解!」
敵が打ってきた次の手に対策すべく、クロノは慌ただしく動き出す。しかし……敵の襲撃中に雨宿りなんて易々と出来るはずがない。襲撃に対応せざるを得ない状況である以上、外に出なければ何も出来ず撃たれるだけ、かと言って外に出れば暗黒物質の雨がその身に降りかかる。
敵のあまりに周到な戦略に対し、果たしてミッドチルダは生き残れるのか……。エイミィは地上で奮闘中の仲間達の無事を、遠い宇宙から祈った……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミッドチルダ北部、孤児院周辺。
「ここは……見覚えがある? 確か、地下シェルター?」
かつてファーヴニル戦の際に入ったことがあるが、老朽化のせいで誰もここに避難していないシェルターに、私達は転移してきた。
「隠れるならうってつけの場所だしね、ちょうど近くにあったことだし。一応は安全圏に逃げられたことだから
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