防人のミステイク
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ミッドチルダ衛星軌道上、アースラブリッジ。
「……クロノ君、本局から放り出された人達の回収、終わったよ……」
『そうか……ご苦労だった、エイミィ。皆も魔法の使えない中、宇宙空間での救助活動に尽力してくれて感謝の言葉もない』
「偉い立場になったせいか、口調もそれなりに箔がついたね」
『ガワだけ立派なだけで、中身はまだまだ若輩者さ。それで……被害の程は?』
「まだ正確な数値は出せていないけど……およそ1万人以上が死亡して、アースラが助けた人も半数以上が鼓膜破損による聴力低下などの身体に関わる障害を負った。結果的に、本局にいた人は保護施設の子供達も含めて約90%以上が死亡か重傷、または行方不明ってことになる」
『生身で大気圏突入なんてしたら、人間の身体なんてたちまち消し炭だ。残念だが、行方不明者は全員死亡しているだろう……』
「行方不明者のリストには……リインフォース・アインスと、マリエル・アテンザも……」
『ッ……そうか。はやてには辛い報告をすることになるな……』
「……悔しいなぁ」
『エイミィ……』
「本当なら……もっと助けられたはずなんだ。本局……今はギジタイか。あそこから容赦なく撃たれるレーザーの妨害が無かったら、もっとたくさん救えたはずなんだ。アーネストさんとカイさんの率いる118空士部隊が決死の覚悟で防いでくれなかったら、今頃アースラも間違いなく撃沈していた。でも……でも……!」
『……ッ』
「ねぇ、クロノ君……アースラって呪われてるの? この艦に関わった人が悉く不幸な目に遭ってるんだけど……。なんで皆正しいことをしようとしているのに、こんなにも辛いことばかり続くの? なんで親子揃って死なせちゃってるの? なんで犠牲ばかり増えていくの? なんで仲間達が宇宙の藻屑となるの……!? こんな犠牲は避けられるはずなのに……! なのに……うぅ……!」
『ああ、わかっている。泣きたくなるほど悔しい気持ちは僕も同じだ。叶う事ならすぐにでもギジタイに乗り込んで、公爵を殴りたい。どれだけの人を犠牲にすれば気が済むのか、と思うさまこの怒りを叩きこみたい。だが……今は出来ないんだろう?』
「ぐすっ……うん……ギジタイ周囲に次元断層の障壁が張られてるから、現状の手段であれを突破するのは不可能だよ。相手の陣営なら一時的に解くなり、一部分だけ開けて通ることもできるだろうけど……」
『敵に捕獲されたらワンチャンスあるかもしれないが、何にせよ僕達にはまず出来ない手段だな。しかし次元断層なら以前、第13独立世界フェンサリルの次元航行艦ゴリアテがニブルヘイムの次元断層を突破したことがあるだろう? あの世界も2年前からイモータルと因縁がある以上、何かしらの手を打ってくれているのを期待するしかない
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