ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
8話 暗闇に光る紅き怪物
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ルブレードを買い取ろうとした人物はほかにいる。そいつの目的は、強力な武器を得ることではなく、キリトがLAをとれないように戦力を欠こうとしたのだ。
「……キバオウ、そのことをあんたに話した奴は、どうやってβテストの時の情報を手に入れたんだ?」
「決まっとるやろ。えろう大金積んで、“鼠”からβ時代の情報を買ったんだわ。攻略部隊に紛れ込むハイエナを洗い出すためにな」
その時、キバオウの後ろで、おお!という歓声が上がる。ボスのHPがいよいよラスト一本に突入したのだ。コボルトロードが長い雄たけびを上げ、それによってセンチネルが3体ポップする。
「雑魚コボ、いったいくれたるわ。あんじょうLAとりや」
憎々しげにキバオウはキリトを一瞥すると、パーティーメンバーのほうへと去っていく。途中で、フードを深くかぶったリアとツカサも一緒に睨みつけながら。
「これでいろいろと謎が解けたね」
おそらく、今の会話を聞き、キリトと同じところに行きついたのだろう、リアがキリトの隣に来る。
「ああ…あと一つの疑問は、誰がキバオウに依頼したかだ」
そう。最後の謎はそれだ。いったい誰がキリトの戦力を欠き、LAをとろうとしているのか。
そこで、キリトは一つのことに気が付いた。つまり…。
「LAを取りに行こうとしたプレイヤーが、そいつってことか…?」
「…あ、待って、やっぱり…」
キリトのつぶやきが終わったと同時に、リアが声を上げた。彼女は真相にたどり着いたのだろうか。
その時、頭にピピッという警告音が響く。センチネルにロックされたのだ。
「話はあとにして、まずはこいつを倒そう」
「わかった」
ツカサが先ほどと同じように、センチネルのハルバートを跳ね上げ、リアがアステュートを叩き込み、続いてキリトがスラントを撃つ。クールダウンの時に、キリトがちらりと20メートルほど先にいるボスを見やると、そこには、最初にタゲをとった青髪のナイトが、初撃を迎え撃とうとしている。そこで、キリトの頭に、リアがあの広場で口に出した言葉が響く。彼女はディアベルに対し、「変な感じがする」といった。彼女は正しかったのだ。ディアベルは、元βテスターだということを隠してパーティーメンバーを引き連れているということになる。つまり、彼はメンバーたちに嘘をついていたことになる…。
が、そんな思考のなかで、キリトは何かの違和感に気づく。それは、ボスの右手にある武器。それは、β時代のタルワールに実によく似ているが、それよりも少し細い。あれは、10層で戦ったモンスターの武器にそっくりで…
その瞬間、キリトは叫んでいた。
「だめだ!下がれ!全力で後ろに飛べ―――!!
だが、キリトの必死の叫びは、ボスを囲
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