ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
8話 暗闇に光る紅き怪物
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ーシールドで甲高い音を立てた瞬間、それが合図のように、一斉に戦闘が始まった。
E隊、G隊が借り漏らしたセンチネルの攻撃を、ツカサが両手槍薙ぎ払い技“ストライクテイル”で、センチネルのハルバートをタイミングよく跳ね上げる。すると、センチネルが激しくのけぞった。これが、この世界の“パリィ”と呼ばれるものである。タイミングよく、相手の攻撃にソードスキルをあてると、大きな隙を作り出すことができるが、なにしろそのタイミングが難しく、慣れるまでには相当の時間がかかる。しかし、難無くこなしているツカサの戦闘センスがうかがえる。
ツカサのスイッチ!という掛け声とともに、十分な助走をとったリアが走り込んできて、その体を宙に浮かす。弓なりになった体を一気に解き放ち、そして、センチネルのがら空きののど元へ、片手剣下段突進技“アステュート”を撃ち込むと、センチネルの体はポリゴンとして爆散した。
この2人には、正直勝てる気がしない、とキリトは思った。戦闘センスの高さ、技術、そして基礎能力は、卓越したものがある。コンビネーションも完璧で、さすがとしか言いようがない。
戦闘は、実に順調だった。コボルトロードのほうも、平均8割ほどのHPを保ちながら攻撃をしている。センチネルも、リアとツカサが驚く程のハイスピードで倒していくので、暇ができるほどであった。
センチネルは、ここでしか湧かないレアモンスターであるので、多くの経験値を落とす。パーティーメンバーにそれは平等に振り分けられるのだが、言うほど戦闘をしていないキリトにも、大量の経験値が入っていく。と、その時…
「アテが外れたやろ。ええ気味や」
「なんだって?」
後ろからキバオウの声がこそっと響き、キリトは言葉の意味が分からずに振り返った。
「ヘタな芝居すなや。こっちはもう知っとんのや、ジブンがこのボス攻略部隊にもぐりこんだ動機っちゅうやつをな」
「動機、だと?ボスを倒す以外に何かあるのか?」
キバオウは、あまり大きくない目で、キリトをにらみ、吐き捨てた。
「わいは知っとんのや。ちゃーんと聞かされとんやで。…あんたが昔、汚い立ち回りでボスのLAをとりまくってたことをな!」
確かに、以前はそうだった。キリトは、HPがギリギリになったところで、最大威力のソードスキルを叩き込み、LAをとることを得意としていた。だが、それはβテストの時の話である。
キバオウは、キリトが元βテスターということおろか、昔のプレイスタイルまで知っているらしい。だが、キバオウは“聞いている”といった。つまり…
キリトの頭に電流が走り、今まで不思議だったことがすべて合致した。ツカサの言う通り、キバオウは交渉を依頼されたのだ。だからこそ、キリトのアニー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ