ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
8話 暗闇に光る紅き怪物
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つの疑問が出てくる。一つは、誰がキバオウに依頼したのか、そして、なぜそんな行動に出たのか」
ツカサの指摘に、キリトはむむむ、とうなった。そう。その可能性を考えると、そこがわからないのだ。
「でも、一つだけわかることがあるよ」
「え?何?」
「その依頼主は、恐らくただのアニールブレードじゃなくて、“キリトの”アニールブレードを欲してる。ユニーク品でもないアニールブレードに+6まで強化されているとはいえ、4万コルという大金を払うだなんて、どう考えてもおかしい。このレイドの中にもアニールブレードを持ってる人は数人いるんだから」
「確かに、言われてみればそうだよな…うーん…」
腕を組んで悩むキリトに、リアはふっと笑った。
「今はそんなに気にする必要はないと思う。どうせいずれ嫌でもわかってくるよ」
「そっか、それもそうだな」
キリトはリアに微笑み返した。
…それにしても、とリアは思う。これから死地の戦いに行くというのに、はしゃぎすぎではないか?絶えないお喋り、かなりの頻度で沸き起こる爆笑。緊張を和らげようとした無理な笑いではなく、心の底から楽しんでいる。その姿は、リアの遠い昔に行った、小学校の遠足を思い起こさせる。
まったく、こんなことでよいのやら、とリアは首を振った。が、その時なぜか急に彼らの声がやんだ。前を見やると、彼らの目の前には、巨大な二枚扉がそびえたっていた。リアも初めて見る光景である。
ツカサとリアが扉に彫り込まれたレリーフを見ていると、キリトがささやいてきた。
「リア姉、ツカサさん。攻略本を読んだならわかると思うけど、取り巻きのセンチネルは、体中を鎧で覆っていて、貫けるのは…」
「首の一点だけ、だね」
「そうだ。だから、俺がセンチネルのボールアックスをソードスキルで跳ね上げるから、すかさずスイッチで飛び込んでくれ」
「いや、それは俺がやるよ」
割り込んできたのは、驚いたことにツカサだった。
「俺の主武器は長物だし、耐久値もアニールブレードより高いから」
「…分かりました、お願いします」
役割分担が決まったところで、ディアベルの「行くぞ!」という短い掛け声とともに、レイドメンバーはボス部屋へとなだれ込んだ。
初めて入るボス部屋。それは、リアの予想よりもかなり広いものであった。部屋の壁には、松明が赤々と燃え、ボスの姿を不気味に浮き上がらせる。
2メートル以上あるだろうと思われる巨大な体躯。その肌は、血のように赤い。右には巨大な斧を、左には革を張って作られた盾を持っている。
これこそが、第1層フロアボス、獣人の王“インファング・ザ・コボルトロード”。それが、A隊に斧を振りおろし、その攻撃をヒータ
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