ソードアート・オンライン〜剣の世界〜
1章 すべての始まり
8話 暗闇に光る紅き怪物
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けどさ!」
再びの歓声と拍手の嵐。
「…やっぱり、あの人苦手だなぁ…」
キリトの耳に、ふとリアの漏らした声が入った。驚いて、リアの顔を(実際顔は見えないので、フードの横顔を)まじまじと見てしまう。
あのルックスに美声、そして、リーダーシップがあれば、ほとんどの女性は彼にあこがれるとばかり思っていたキリトだったので、リアの反応が意外だったのだろう。
キリトの視線を感じたからか、キリトのほうを見やり、そしてまたディアベルに視線を戻した。
「あの人、なんて言うか…こう、変な感じ」
「変な感じ?」
キリトはもう一度ディアベルを見るが、そういわれても、何も感じない。
リアがが感じているのはいったいどんなものだろうか。だが、その思考はディアベルの掛け声でかき消されてしまう。
「オレが言うことはただ一つ…勝とうぜ!」
ディアベルが長剣を音高く抜き放った。
ぞろぞろと、まるで蟻の隊列のように、ボス部屋まで迷宮区をタワーを歩く。時折ポップするモンスターも、他の隊が競い合うように前に出て戦闘するため、リアたちは何もせずにすんでいる。
「…で?相談っていうのは?」
先ほど中断されていた話をリアが蒸し返すと、キリトはそうだった、と言って、説明を始めた。どうやら、この前から、キリトの”アニールブレード+6”を買い取りたいというプレイヤーがいたそうだ。かなりの高値で持ち掛けたらしいが、当然ここまで強化したアニールブレードをキリトが売るはずもない。アルゴを通じての交渉だったため、依頼主がわからなかったらしい。だが、昨日、アルゴが来て、4万コルで買い取るといってきたときに、キリトがコルを積み、ようやく分かった依頼主というのは…
「キバオウだったってことか…」
ツカサがそういうと、キリトは小さくうなずいた。その隣で、リアが腕組みをして小さくうなった。
「でも、不自然な点が一つあるね」
「ああ…4万コルという大金があっても、キバオウは装備を何一つ変えていない。これから死ぬかもしれないのに、ストレージにそんな大金を残しておくのは不自然だ」
キリトの隣でツカサも賛同するようにうなずく。
「可能性としては二つだな。一つ目は、このボス戦に必ず生きて帰ってこれると自信があって、これからのために貯金しているのか。もう一つは、誰かに依頼されたかだ」
「依頼?…ああ、そうか…」
ツカサの言葉に、キリトは納得した声を出した。確かに、二つ目の可能性は、辻褄が合う。もし誰かに依頼されたのだとしたら、買取の金は、キバオウに依頼したプレイヤーの物。キバオウはその金は使えないため、装備の新調もできなかった。
「だが、その可能性を考えると、また2
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