第三十四話 大魔術師ガンダルフその五
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「したいか?」
「何かあるのならって探すとか」
「それはもう御前が全部取っただろ」
「噂に聞いてるのはね」
「だったらもうないだろ、それにあってもな」
「おいら達が必要な位にはだね」
「いかないだろうからな」
このことも考えられるからだというのだ。
「それでだよ」
「もう道草をしないで」
「ガンダルフさんのところに行こうな」
「それじゃあ案内するね」
実はその道草をしたかった淳二は残念に思った、だがここであれこそ言っても仕方ないと考えてだった。
一行をガンダルフの家の前まで案内した、そうして石造りの家の中で少ない木造の部分である木の扉をノックすると。
暫くして白く長い髭を生やし白い魔法使いの服と鍔の長い三角帽を被った老人が出て来た。その老人はまずは淳二を見て言った。
「お主か」
「やあ、久し振り」
「山が騒がしいと思ったらのう」
「あれっ、水晶玉で見ていないんだ」
「別の場所を見ておった」
一行が山を登る間はというのだ。
「暫くな」
「ああ、この島のあちこちをだね」
「それで昨日今日は見ておらんかったが」
「その昨日今日になんだ」
「この山に登ってきたか」
「そうなんだ」
淳二は明るく笑って魔術師に話した。
「ガンダルフさんに用があってね」
「全く、前もうじゃったが」
「急に来る、だね」
「また宝を探しに来たか」
「いやいや、実はおいら今は怪盗とかトレジャーハンターはしてないから」
それはとだ、淳二はその魔術師ガンダルフに笑って返した。
「こうして皆を一緒にね」
「ふむ、どの者もこの世界の者ではないな」
ガンダルフはここで久志達を見た、そして全員この島の人間であるコーカロイドの顔ではないのを見て言った。
「東の島の者か」
「おいらみたいにね」
「外の世界から見た、か」
「そっちだよ」
淳二は自分から答えた。
「皆ね」
「成程のう」
「うん、これでわかったね」
「六人か」
「そう、それでね」
「次の仲間のことを知りたくてか」
「ちょっとここに来たんだ」
淳二は明るく軽い態度のままガンダルフに話す。
「そういうことだから」
「わかった、ではな」
「これからだね」
「話をさせてもらう、中に入るがいい」
「俺達もだよな」
久志は微笑みガンダルフに問うた。
「話を聞いていいよな」
「そのつもりで言ったのじゃ」
ガンダルフは久志に笑顔で返した、その笑顔は明るく人懐っこいもので一見すると厳めしい顔からは意外なものだった。
「今な」
「そうか、じゃあな」
「御前さん達全員に話をさせてもら」
「宜しく頼むな」
「では中に入ってくれ」
ガンダルフは自分から扉を大きく開けてそのうえで一行を家に入れた。そうして六人は彼の家の中に
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