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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第百三十五話 餓鬼その二
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「実に」
「左様です」
 畑中さんの返事は今もはっきりとした明るいものだった。
「非常に美味しいです」
「毎朝そうされているのは凄いです」
 しかも八十歳を優に越えてだ。
「滅多に出来ないです」
「あの木刀を千回二千回と振ることは」
「しかもストワックもされて」
 そちらもだから余計に凄い。
「お歳を感じさせないです」
「やはり毎日していますと」
「身体が鍛えられてですか」
「出来ます、今も」
「そういうものですか」
「確かに私は高齢ですが」
 畑中さんご自身も認めれていることだ。
「しかしです」
「毎日しているとですね」
「身体は衰えずです」
「今もですね」
「出来るのです」
「じゃあ僕も毎日していれば」
「私の年齢になりましても」 
 それでもというのだ。
「出来ますので」
「そういうものですか」
「宜しければ」
「まあ畑中さんみたいには無理ですが」
 苦笑いになって言った、十一キロの木刀を毎朝千回も二千回も振るなんて普通のことじゃない。
「ですが」
「何かをですね」
「今は部活に出ていますが」
 朝練も含めてだ、今は朝から夕方までしている。
「しかし」
「それでもですね」
「部活をしなくなったら」
 それから引退してだ。
「今も時々走っていますし」
「朝のランニングですね」
「やってみようと思います」
「それがいいです、健康の為に」
「そうですよね」
 朝食の前にこの日も畑中さんとお話をした、すると自然に元気が出て美味しい朝食を楽しめた。それからだった。
  部活まで少し休もうとしたらだ、留美さんが僕に声をかけてきた。見ればもう制服になっている。
「一ついいか」
「何かな」
「朝に畑中さんとお話をしていたな」
「うん、そうだけれど」
 食堂を出たところで声をかけられ横に来た留美さんに答えた。
「食べる前にね」
「何の話をしていたのだ?」
「いや、ただ朝に身体を動かしたらね」
 僕は留美さんにありのままを話した。
「いいってことをね」
「それだけか」
「うん、それだけだよ」 
 こう留美さんに答えた。
「本当にね」
「そうなのか」
「別にこれといって何もないよ」
「畑中さんの鍛錬は凄いが」
「あれをしろとかは言われていないよ」
 全くとだ、僕は留美さんいそこは言った。
「全然ね」
「あれは並の者には出来ないからな」
「ちょっとやそっとじゃ出来ないよ」
 僕はまた言った。
「十一キロの木刀を千本とか二千本とか」
「それを毎日だからな」
「そんなの出来ないから」
「あれは直新陰流の修行だ」 
 留美さんもこのことを話した。
「勝海舟もやっていたな」
「凄い流派だったんだよね」
「うむ、この流派を極めるとだ」

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