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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第百三十五話 餓鬼その一
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           第百三十五話  餓鬼
 夏休みの終わりは刻一刻と近付いてきている、もうそのことを嫌になる位に実感していた。
 この日もだ、朝起きてまずはこう思った。
「今日を含めてあと数日で終わりなんだな」 
 その夏休みがとだ、そう思うと暗い嫌な気持ちになった。
 だが朝起きてだ、稽古の後のシャワーを浴びて一階のロビーに出ていた畑中さんにこう言われて気持ちが変わった。
「今日も元気にです」
「はい。過ごしてですね」
「楽しくいきましょう」
「楽しくですね」
「そうです」
 いつもタキシードを端正に着こなしている、そのうえでの言葉だ。
「今日も」
「そうですよね、一日一日を」
「楽しくです」
 そう過ごしてというのだ。
「生きるべきです」
「そういうことですね」
「はい、さもないとです」
「生きていてもですね」
「残念なだけです」 
 若し楽しく過ごしていないと、というのだ。
「そうした時もどうしてもありますが」
「それはですよね」
「残念なことです」
 まさにそれだけでというのだ。」
「ですから」
「今日もですね」
「はい、楽しく過ごすべきです」
「正直夏休みがもうすぐ終わりで」
「残念に思ってしまいますしね」
「はい」
 そうだとだ、僕は畑中さんに素直に答えた。
「そう思っていました」
「そうですか、しかし」
「そう思わずにですね」
「今日という日をです」
 まさにというのだ。
「充分にです」
「楽しんで」
「過ごすべきなのです」
「そうですか」
「はい、それも朝からです」
「今からですね」
「気持ちを切り替えていくべきです、それでなのです」
 畑中さんは僕にこうも話してくれた。
「私は朝の稽古はです」
「そうした意味もあるんですね」
「そうです」
 その通りという返事だった。
「実は」
「そうだったんですね」
「朝から汗をかけば」
「気持ちがですね」
「起きたては暗い時もありますが」
 それで汗をかけばというのだ。
「気持ちが切り替わります」
「明るくなれますか」
「そうです」
 まさにというのだ。
「ですから稽古はいいのです」
「そうした意味でも」
「ですから私はです」
 畑中さんはというのだ。
「毎朝こうしてです」
「稽古に励まれて」
「一日をはじめています」
「ううん、憂鬱な朝もですか」
「心地よい朝に変わります」
 その稽古によってというのだ。
「今日も頑張ろうとなります」
「シャワーも浴びて」
「それで気分も変わります」
 そちらによってもというのだ。
「ですからいいのです」
「いいことですね」
「はい、それでは今から」
「朝御飯ですね」
「そうなります、では召し上がりましょう」

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