第二部 英雄たちの策動
つかの間の静穏
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かいるのだ。まあ、普段からリーダーにくっついている、(表向き)特に何をしているわけでもない人間なんて、敵視されるだけの十分な理由にはなるかな。
自分の部屋にいて、曹操が出かけている場合にはそう言った人たちが暗殺しようといわんばかりにちょっかいを仕掛けてくるから、部屋にいると気が休まらない。無力化してもいいのだけれど、組織の動ける人員をまさか減らすわけにもいかない。
そんなわけで適当に離れた隠れ場所まで足を延ばしたのだけれど。
「我、文姫の膝に座る」
……オーフィスがいた。まあ、前々からここで会えることは知っていたのだけれど。
どうやら、私が避難場所として選んだ場所は、オーフィスもお気に入りだった場所の様で。初めてここに来た時、鉢合わせしたのだ。まさかこんなところで無限の龍神に会うなんて思ってもいなかったため、かなり動揺したのは覚えている。
と言っても、オーフィスはこちらに興味を抱くわけでもない。私も、別に向こうが危害を加える気がないなら、こちらからはどうこうする気はない。
そう思って、なんとなく一緒にいたらなぜだか、こちらに視線を向けてきて。
なんだか、私の中の『万霊殺しの霊刃』はオーフィスの本質に「近しい」らしく、それに興味があるとかで。自己紹介をした後、そのことについて聞かれた。
その縁で少し話をしたことで、どうやら懐かれたようで。会うたびに、なぜか膝の上に乗ってくる。
「オーフィス。私の中の力、分かる?」
「文姫の力、我に近い。虚ろにして無、価値なきモノへと落とす。でも我の力、毒にはならない。そこが違う」
オーフィスの言葉は端的で、、謎かけのように感じることもある。慣れてしまえば意外と楽しいと感じるようにもなった。
オーフィスの「虚無」と「万霊殺し」は、似て非なるモノ。だから同じ「匂い」を感じ取って引き寄せられるから懐かれるのだろうと、曹操は言っていた。
いまだに解明の進まない私の力。だけど少しずつ、進展も見えてきた。
使っている私の実感としては、この力は多分――――
ピピピ、と無機質な音が私の思考を断ち切る。
「……メール?」
持たされている携帯電話を開く。任務用と、私用の二つを持っているけど、さっき鳴ったのは私用のほうだ。開くと、案の定一通メールが来ている。
開いてみると、差出人は数少ない友人で。同じ禍の団の、違う派閥に属する魔法使いだ。
近況を問うその文面に、何を書こうかと一瞬思案する。んー……赤龍帝に会ったことでも書いてみようかな。
文面を組み立てて送信する。すると、一分もしないうちに返信が来た。
「『おっぱいドラゴンに会えるなんて羨ましいです!』………おっぱいドラゴンて、何?」
聞きなれない名称に首を傾げる。赤龍帝の事を書いて送
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