第二部 英雄たちの策動
死線
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戴!祐斗は斬り込まず、防御のほうをお願い!」
『了解!』
リアス・グレモリーが指示を出す。やはり王。こういう時の差配は厄介。
赤龍帝が魔力の弾をまた撃ち放ってくる。これだけなら難なく躱せるけど、それに加えて光力の槍とデュランダルのオーラまで飛んでくる。
……なるほど。接近戦は危険だと判断したわけだ。確かにこうされると、斬り込むのは難しくなるし、斬り込んだとしても木場祐斗に防がれて膠着状態になるのは目に見えている。なら―――中に入った相手を、引きずり出すのみ。
遠距離攻撃を打ち払いながら、一気に速さのギアを上げる。そのまま、木場祐斗に打ち掛かり、動きが止まれば―――
「この時を待っていたぞ!」
デュランダル使いが斬り込んでくる。予想通りのタイミングで、そのために隙を見せたのだが…
デュランダルを避け、がら空きになった使い手のほうを渾身の力で蹴る。
「ぐっ!」
咄嗟に受けたとはいえ、勢いをつけて蹴り飛ばしたのだ。いくら非力な私でも、吹き飛ばすくらいはできる。そして飛ばした先は―――
「うおっ!?」
魔力弾を打ち出していた赤龍帝のほうに向かう。しかも赤龍帝は、ちょうど次弾を打ち出そうとしていたところで―――
バチッ!と激しい衝突音とともにデュランダル使いが吹き飛んで壁に叩きつけられる。咄嗟にデュランダルで受けたようだけど……あのダメージなら、しばらくは戦線離脱を余儀なくされるはず。
「ゼノヴィアァァァ!」
「よくもゼノヴィアを!」
自分の手で仲間を傷つけることになった赤龍帝が吠える。その隣では、天使のほうも表情をゆがめていた。
「…私の火力では、何発も当てないといけないから。パワー型のあなたたちを、利用させてもらった」
実際、万霊殺しの霊刃は集団戦に向いているものではなく、一撃の威力もそんなに高くはない。打ち込んだ「毒」によって徐々に相手を削っていくという特性上、ある程度以上の強さを持つ相手には持久戦となることが多い。一撃で決められない場合には何度も重ねて斬り付ける必要がある。
そして今の自分は、シトリー眷属戦で体力を消耗している状態だ。そんな状態では、さらに攻撃の威力も低くなるために一撃で倒すのはよほど狙わなければならない。
だからこそ。パワー型のグレモリー眷属の攻撃を利用して相手を倒す。
ちらっと簡易の転移魔方陣発生装置を見る。再起動まではもう少しかかりそうだ。
それまではグレモリー眷属の攻撃をしのぐ必要があるだろう。一日で二回も死線を潜ることになるなんて、本当についていない……。
容赦なく放たれる攻撃をひたすらに捌く。もう間合いに入ってきているため、近接戦闘に赤龍帝も加わりさらに苛烈さを増す。聖魔剣を受け止め、赤龍帝の拳打を
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