第二部 英雄たちの策動
英雄派
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この前連れてきた魔獣創造の、レオナルド」
「おいこら、俺は無視かぁ!?」
白髪で剣を携えた青年―――ジークとしゃべっていると、横から巨漢―――ヘラクレスが口をはさんでくる。声大きい。頭が痛くなってくる。
ジークはともかく、ヘラクレスとは基本的にそりが合わないけど、紹介はしないと。
「レオナルド。こっちの白髪のお兄さんはジーク。剣を振り回すのが大好きな人。こっちの大きい人はヘラクレス。遠くからでもよく目立つからすぐに分かるよ」
「「なんだその説明!?」」
ぞんざいな紹介に流石に憤慨したのか、ジークまで私にどなってきた。
と言っても、これ以上のわかりやすい表現が見つからなかったんだけど……うーん、難しい。
ジーク。正式にはジークフリート。私たち英雄派の幹部の一人で、英雄シグルドの末裔らしい。神器「龍の手」の所持者で、使用すると背中からドラゴンの上が生えてくる。腰に何本も帯剣していて、使用するほとんどが魔剣、一振りが光の剣らしい。かつては教会に所属していた魔剣使いとのことだけど、私は詳しい事情は知らない。ときどき、鍛錬で刃を交えるだけだし。
ヘラクレス。ギリシア神話のヘラクレスの魂を受け継ぐ巨漢で、神器「巨人の悪戯」を持つらしい。そりが合わないこともあり、鍛錬なども一緒にしないため私も神器の能力は知らない。興味もないし、あの大声は頭が痛くなってくる。あと意思疎通がたまにできない。
「とりあえず、曹操に言われてレオナルドに幹部だけでも紹介してるんだけど……ゲオルクは曹操と実験中?」
「いや、あそこでデータを取ってるはずだよ。ついでだし行って来ればいい」
ジークが指し示す方向を見ると、確かに見覚えのあるローブ姿が見えた。
……うん。あまり相性も良くない相手だし、なるべく早く片付けてしまおう。
考えながらジークに礼を言ってそちらへ足を運ぶ。途中で構成員の集団に行きあったが、大半が奇異と侮蔑のまなざしを向けてきた。
奇異のまなざしはおそらくレオナルドに向けてだろう。侮蔑は言うまでもなく、私だ。
出自がはっきりしているわけでもない、ほかの幹部陣程の強さを見せることもない。なのに曹操のそばによくいる私は、ほとんどの構成員たちからは「リーダー(曹操)のお気に入り」と言われている。特に実力もないのに、リーダーに気に入られているというだけでそばに置かれている穀潰しということらしい。まあ、確かにそうだと思う。曹操に頼まれて動いているだけだし、雑用といっても差し支えはないと思う。
例外は、昔冷やかし半分で指導を頼まれて教えてあげた構成員くらい。
と、考え事をしていたらいつの間にかついていたみたい。ゲオルクの鬱陶しそうな視線を
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