暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 聖なる槍と霊滅の刃
第二部 英雄たちの策動
英雄派
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いた。

「…そっか。じゃあ、みんなの前では、それでいいよ」

「…どういうことだ?」

怪訝そうな顔をする曹操。残念だけど、私の真意は伝わらなかったみたいだ。
まあ、私のわがままで本気で困らせるわけにはいかないけど……一応、主張はしておくべきだよね。

「二人きりの時は、今までのままがいいな…って」

「………善処しよう」

◆◇◆◇
そんなやり取りがあったことを、この名前を改めて名乗るたびに思い出してしまう。
あまり名乗ることはしないけれど。この名前は、曹操がくれた二つ目の、形なき至宝だ。
そんなことを考えていると、視界の隅でレオナルドが起き上がったのが見えた。

「動ける?」

問いかけると確かなうなずきが返ってくる。
さて、ならばどうしようか。とりあえず曹操に知らせたほうがいいのだろうか―――

「入るぞ」

図ったようなタイミングで曹操の声がした。同時に、部屋のドアを開けて曹操が入ってくる。
―――うん、ちゃんと寝たみたい。少しは疲れの取れた顔になってる。

「曹操。ちょうど、目が覚めたところ」

「そうか。ならば、メンバーに引き合わせなくてはな」

そういった曹操がふと瞬きをする。
私のほうも、紹介をしようと口を開く―――

「…あぁ、そうだ。俺は」

「この人は曹操。“英雄派”のリーダーで、すごく頼りになる人だよ」

あ、タイミングが悪かったみたい。曹操の台詞を遮る形になっちゃった。
ごめんと視線に謝意を込めると、「気にしなくてもいい」と視線で応えがあった。よかった、怒ってなくて。

「文姫。すまないが、レオナルドにほかの連中を紹介してやってくれ」

「ん、分かった。幹部だけでいい?」

「ああ、君に任せる。俺は少し実験が残っているから、そちらにいる」

「何かあったら呼ぶね」

「ああ」

そう言って曹操はレオナルドに「無理はするな」と言い残して部屋を出ていく。
戸惑ったような顔のレオナルドに、私は微笑みを向ける。うまく笑えた自信はないけど……

「とりあえず、ほかの人を紹介するから」





少し開けた場所。レオナルドを連れてきたそこでは、構成員があちこちで自主トレーニングをしているのが見える。一部の人には器具がついているからデータの測定でもしているのかもしれない、ごくろうさま。
そう思いながら目当ての人物を探す。たぶん、この辺にいるはずだけど……
あまり時間もかからず、目当ての人物が見つかる。やっぱりあの白髪は目立って探しやすい……まあ、予想外の巨漢は一緒だったけど、いいや。
ちょうど休憩でもしているのくごく気配のない二人に近寄る。

「ジーク」

「ん、文姫かい……その子が、新しい?」

「うん。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ