第一部 出会い
流浪の二人 〜夏の出来事〜
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からと風に従って揺れる。目の前で店主らしき男が息を吹いて回しているのにちらっと視線を投げている。
無表情で見つめている四織。その横顔から感情を窺い知ることはできない。
だが、曹操が後ろに立っても一向に離れる気配のない姿から嫌でもわかる。
「そんなに欲しいのか?」
「………」
予想通りコクリと頷いた四織が視線をこちらに向ける。
―――表情は無表情なのに、目だけはとても饒舌だった
「……しょうがないな」
色鮮やかの風車の中から四織が指差したものを買い、渡してやる。
「……ふ〜っ」
カラカラと小さく音がする。
隣を見ると小さく微笑んでいる四織の顔がある。
「(……まあ、悪くはないか)」
彼女が満足そうなら、それでいいだろう。
カラカラと微かに鳴る風車の音を聞きながら、曹操も小さな笑みを浮かべた。
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