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雲は遠くて
134章 信也と詩織のクリスマス・イヴ
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ちゃん、さあ」

「何?しんちゃん」

「イエスキリストさんって、やっぱり、偉い人で、いいことっているんだよ。
最近、読んだばかりの本に書いてあったんだけどね。
ウェイン・ダイアーって人の書いたアンソロジーなんだけどね。
その本の中で、イエス・キリストは、こう言っているんだ。
『あなたがたは、心を入れ替えて、幼児のごとくありなさい。
さもなければ、天国に入ることはかなわないであろう』ってね。
この言葉で、イエスは、どんなことを言っているのかというとね、詩織ちゃん。

『素直な心を取り戻せるのは、あなたのなかの永遠の子ども』だって、言っているんだってさ。
『この永遠の子どもが、人の外見ばかりを見ることをしないで、
愛をもって、すべてのものを、すべての人を見る、その対応や方法を知っているってこと』なんだよね。

イエスは、なにも、おれたちが、幼稚で、未成熟で、未開で、
無教養であればいいと言っているんじゃなくって、
『人を(さば)いたりしないで、愛して、受け入れて、誰にもレッテルをはることもしないで、
人の作った垣根や価値観とかも、少しも気にかけることもしないで、
そんな幼児のような、きれいな心を忘れないようにしよう』と言っているんだよね。

そんな子どもの、純真で神聖な愛や、とらわれない無垢(むく)の心こそが、
天国行きの切符(きっぷ)なんだってさ。

おれ、そのイエスの考え方を知って、かなりイエスという人間が理解できたような気がしてさ。
感動しちゃったんだよね。あっははは。

この話をしたらきっと、詩織ちゃんも、やっぱり、おれと同じように、
感動するだろうなって、思っていたんだよ。あっははは」

「そうなんだ・・・。しんちゃんは、いろんな本読んで、すごいと思うわ。
わたしも、もちろん、いまのキリストさんの考えには、感動しちゃたわ。
そのアンソロジーを書いた、ウェイン・ダイアーさんも、すばらしい人よね」

「この世のなかで、大切なものは、やっぱり『愛』なんだよね」

「うん、『愛』が1番だと思うわ。そう言ってくれる、しんちゃんが、わたしも、大好きなのよ!」

「おれだって、詩織ちゃんが、大好きだよ」

「ありがとう。しんちゃん」

☆参考・文献・資料☆

静かな人ほど成功する  ウェイン・W・ダイアー  幸福の科学出版

≪つづく≫ --- 134章 おわり ---


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