5・不穏な予兆
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おくことにする。
裏高野。それは、密教総本山である高野山の裏側にあるといわれている。歴史や人には知られてはいない場所であり、魔物などを払う退魔行を生業とした結社である。そして、黄幡星現れしとき、魔王が復活するいう言い伝えがあった。
孔雀もかつて黄幡星の子として裏高野では疎まられていたが、孔雀の師となった慈空により助けられ育てられていたのだった。
「兄上、孔雀様を呼びましょう」
月読は見えない眼をまっすぐに日光を見つめ言った。
「孔雀を呼ぶだと。あやつはアルマゲドン以来神通力はなくなってしまっているのだぞ。呼び出しても役に立つまい」
日光は月読に鼻で少し笑いながら言った。
「いいえ、孔雀様ならやってくれると私は信じておりまする。それに、私に考えがあるのです」
「考えだと?」
「はい」
日光を強い意志がある目つきで月読は見つめた。
「わかった。孔雀を呼び出せ。五輪坊はすでに嵐しかおらぬが、月読、嵐にも召集をかけろ」
「承知いたしました、兄上」
日光の命令に月読は深々と頭をさげた。
「星海殿は引き続き黄幡星の動向を気にしておいてくれ」
「承知!!」
星海もまた頭を下げて日光と月読の前より立ち去っていた。
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