窓に、窓に!!
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そ、そうか!!海上保安部」
「駄目だ!!そいつは最後の希望だ、訳の分からん電話を掛けるな!!」
「だ、だって!!」
「待ってくれ、いま話を整理してるから」
「整理ったって整理しようがないだろこんなの!!どう説明したら海上保安が謎の巨大海洋生物と戦える装備で駆けつけてくれるんだよ!!」
「戦える装備ってどんなのだ!?」
「ミサイルランチャーとかだよ!!」
「アホか!!どこの巡視艇もそんなもん積んでねぇよ!!そういうの欲しければ自衛隊に電話しろ!!」
「じ、自衛隊の番号は…」
「ねぇよ!!とりあえず落ち着け、この状況で海保呼んでもすぐには来ない」
小型とはいえそこそこの強度を誇る栄光丸を一瞬で危機に陥れるような怪物だ。海保呼んでも犠牲を増やした上に更に刺激して最悪の結果を招くだけな気がする。
「―――俺達に出来る最善の選択は……静かにやり過ごすことだ」
ぎしっ……と、船室全体が音を立てた。最終通告のように。
「っわああああぁぁぁぁ!!!」
耳をつんざくような雄叫びをあげながら志村が抱きついてきた。
「もっもう駄目だ―――!!船室ごと潰されてすげぇでかいカラストンビに引き裂かれて死ぬんだああああ!!」
「死に様リアルだな!!」
なおもぐいぐい抱き着いてくる志村を必死に引き離す。同じ死ぬんでも吸盤と野郎に巻きつかれて圧迫死とか冗談じゃない。そんな死に様晒して親兄弟にどう申し開きすればいいんだ!!
「ほんとやめろ、離せ!!」
「直径50センチのカラストンビで殺されるんだ―――!!」
「何でカラストンビのことばかり云うんだ!!いいから離せ!!」
「サープラーイズ!!!」
「ヒャーハハハアハハハ!!ハハハハハ!!!」
突如、ガチャリとドアが外側から開かれた。
陽気なジャマイカン、ロドリゲスと悪戯好きのジョンが、くそでかい声で笑いながら現れた。
真相はこうだ。
俺達の仮眠中、定置網を引き上げると新種と思われる魚がかかっていた。
あり得ない程巨大で、腹部に複数の吸盤を持つダンゴウオの亜種だという。その腹に並ぶ吸盤があまりにタコにそっくりなので、ジョンが悪戯を思いついた。
船室に一つしかない窓に巨大ダンゴウオの腹をくっつけ、ドアの前にデブを座らせ、船室の周りをよく軋む樽で囲む。そして錨を下ろしてやばめの傾きを演出し、周りの樽を押して軋み音を出す。その上でピストルを発砲し、大騒ぎして中の二人を起こす。起きた気配を感じたら急に静かになり、時折船室周りの樽を踏みつけ、軋み音で中の二人をビビらせる。そして中のパニックが頂点に達したタイミングで、サプラーイズと叫びながら現れ、ホッとした表情の二人と『ドッキリ大成功♪』
「…………ってなるかああああ!!!」
俺達は思わ
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