ペルソナ3
1915話
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「おう、アルマー。何だか随分と久しぶりだな」
木曜のテストが終わり、今日は特に誰とも約束がなかったので、昼食を食べにはがくれにやって来たのだが……店の中で荒垣に遭遇する。
荒垣の前には、野菜たっぷりの担々麺。常連しか頼む事が出来ない隠しメニュー、坦々タン麺だ。
まぁ、隠しメニューでも、そこまで特殊な料理って訳じゃない。
名前通り、担々麺+タンメン。
正確には、担々麺の上にタンメンの具材を乗せるといた麺料理だ。
勿論はがくれで出す以上、単純に担々麺に野菜を追加しただけ……というのではなく、きちんと具材にも細かな仕事が加えられており、しっかりと野菜が担々麺のスープに合うようにされているらしい。
らしいというのは、このメニューは常連しか頼めないからだ。
残念ながら、俺はまだ常連という訳ではないので、頼む事が出来る裏メニューははがくれ丼のみだ。
「はがくれ丼と、トロ肉しょうゆラーメン、それと餃子とチャーハン」
荒垣の隣に座ってから、即座に注文する。
俺の注文した量に驚いているのか、荒垣は唖然とした視線をこっちに向けていた。
俺がかなり食うというのは、それこそ荒垣も知ってた筈だが。
「最近、テストで忙しかったからな。それに、三馬鹿トリオに勉強を教える必要もあったし」
「……三馬鹿トリオ?」
「ああ、俺のクラスの頭の悪い連中だ。……非常に遺憾な事に、俺の友人でもある。よって、俺が勉強を教える事になってしまった訳だ」
「教えられるのか?」
冗談でも何でもなく、純粋に素の状態で尋ねてきた荒垣。
いやまぁ、うん。荒垣にしてみれば、まさか俺の成績がいいとは到底思えないのだろう。
「言っておくが、俺はそれなりに勉強出来るぞ」
「……マジか」
数秒の沈黙の後、短くそれだけを言う。
「ああ。元々勉強はそこまで嫌いって訳じゃないしな。それに……」
「それに?」
「いや、何でもない。とにかく、そのおかげで色々と忙しかったから、荒垣にも連絡出来なかった訳だ」
担々タン麺を食べている荒垣を見ながら、そう告げる。
俺の視線に何を感じたのか、荒垣は丼を僅かに動かし、口を開く。
「ま、元気なようで何よりだ」
「へい、お待ち」
最初に運ばれてきたのは、はがくれ丼と餃子。
早速はがくれ丼を食べながら、荒垣との会話を続ける。
「それで、こっちはそんな感じだったけど、そっちはどうだったんだ?」
「別に、いつも通りだったよ。ああ、だが……夜に時々アキに会ったな」
この場合の夜というのは、文字通りの意味の夜ということではなく、影時間を誤魔化した言い方だろう。
学校に通っていない荒垣はともかく、真田はこの時期にも関わらず影時間の中を歩き回っていたのか。
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