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提督はBarにいる。
変わり揚げでマンネリ脱出?・その1
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「かぁ〜っ!やっぱ仕事上がりのビールは堪んねぇなぁオイ!」

 まずは駆け付け1杯、といった具合に中ジョッキのビールを一気飲みして、鼻の下に泡で髭を拵えている天龍。

「鼻の下、髭出来てんぞ」

「おっといけね」

 俺が指摘してやると、袖口でグイッと拭う天龍。その動作には澱みが無く、悪く言えば女らしさの欠片もない。そもそも仕事上がりに飲み屋に駆け付けてジョッキ一気飲みしている時点で女らしさなど台無しだと思うのだが、そんなのはウチの連中にゃ日常の光景だから言わぬが華、という奴だ。

「で?ご注文は」

「そうだな〜……やっぱビールにゃ揚げ物だろ!あ、でも竜田揚げは勘弁な」

 ビールと揚げ物の黄金タッグはヤバイ。揚げたてサクサクの揚げ物にかぶりつき、衣の歯触りと素材の旨味、ソースの競演を楽しむ。その少しくどいとさえ思える味が残っている所に、それを洗い流すかのように冷えたビールを流し込む。飲兵衛からすると今日一日の疲れが蕩けていくような、至福の時だろう。

「しかし、竜田揚げ以外とはまた妙な注文だな」

「いや、嫌いじゃねぇんだけどよ……竜田揚げ。ただ、龍田の奴がさ」

「……あぁ、成る程な」

 何となく気まずそうな天龍の様子から事情を察してしまった。天龍と親しい連中から聞くと、普段天龍はあまり飲み歩かず、妹である龍田と部屋で飯を食う事が多いらしい。必然的に龍田が料理を作るらしいのだが、その際揚げ物のレパートリーで竜田揚げが多くなってしまうんだろう。フライや天ぷら、唐揚げなんかも作るだろうが、やはり『龍田』で生まれた竜田揚げには艦娘になってからも特別な思いがあるのでは?と思えるしな。

「んじゃ、たまには変わった揚げ物を攻めてみるか?」

「変わった揚げ物?」 

 揚げ物と一口に言ってみても、その揚げる材料や衣にする素材で歯応えや味わいは大きく変化する。定番の揚げ物以外のあまり揚げ物には使わないような物を使った揚げ物を『変わり揚げ』と呼び、定番の揚げ物に飽きてきたら目先を変えるのには打ってつけだ。

「へぇ、面白そうじゃん!その変わり揚げって奴、色々作ってくれよ」

「あいよ、メニューはお任せでいいな?」

 まずはシーフードからいくとしますかね。




《サクふわ!嵩増しエビフライ》※分量2人前


・海老:5〜6匹

・はんぺん:1枚(100g)

・大葉:2枚

・片栗粉:大さじ1

・小麦粉:適量

・卵:1個

・パン粉:適量

(らっきょうの和風タルタルソース)

・らっきょうの甘酢:大さじ1

・卵:2個

・らっきょう:4粒

・マヨネーズ:大さじ3〜4

・レモン汁:大さじ1

・塩:少々

・黒胡
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