八
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落つる日を
追ふは虚しき
夕月夜
野辺の風さへ
つれなかりけり
落ちてゆく太陽を、まるで追うような夕月夜…。
どれだけ追い掛けようと決して追い付くことはないのだ…。
そう思うとあまりに虚しく…そんな私に、野原に吹く風はよそよそしく…。
私もまた、あの人の影を追っているのかと思え…虚しくため息をつくほかなかった…。
音もなく
ため息つかば
朝を見ず
思ふがゆゑの
命ともがな
しんと静まり返る夜更け…そっとため息を洩らす…。
あの人を忘れようとするほど…どうしても心はあの人を想い…。
胸の痛みに…もう明日と言う日を棄てても良いと思ってしまう…。
だが…こうして思ってしまうことさえ、命なのだと…生きている証なのだと…そうも思える…。
生きるとは…とかく苦痛を伴うものなのだな…。
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