終われない
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で次は何が来るかもうわからない。
(ツバサ、何投げたい?)
(私に決めさせてくれるの?それなら・・・)
迷っている穂乃果を嘲笑うように速いテンポで投球に入るツバサ。その手から放たれたのは、彼女の1番の得意球。
(ストレート!!今度こそ!!)
コースも高さも甘め。穂乃果はこれを捉えようとスイングするが、バットが振りきられるよりも先にボールがミットに吸い込まれた。
「ストライク!!バッターアウト!!」
5打数4三振。関東から数えれば5回目の三振。全く打てない穂乃果もこれにはさすがに顔を上げることができずベンチに無表情で戻ってくると、一言も発することなく防具を付け始める。
「穂乃果ちゃん・・・」
「穂乃果」
いつも元気でチームを活気付けてくれる彼女のこの姿には幼馴染みたちも見覚えがなく、声をかけることができない。
(穂乃果ちゃんがあんなになるなんて・・・これは凛が行くしかないですよね?)
(お願いします)
思わず手を合わせる指揮官に笑いそうになりながら打席で構える。
(星空さんと西木野さんは以外と打ってるからね。最低限連打だけは避けたいから、ここからは慎重にね)
脚の速い凛も長打のある真姫もこの試合展開では非常に厄介な存在。穂乃果、凛、真姫を打ち取ることが試合を有利に進めることで重要なポイントになる。
「いっくニャー!!」
131kmのストレートを外角ギリギリに投じる。早打ちしがちな上位打線の1人である凛はこの難しい球に手を出しセカンドゴロに倒れた。
(真姫、何とかしてくれ)
(何不安そうな顔してるのよ。このマッキーに任せなさい)
気合い十分な真姫だったが大きく外れるボールが続きフォアボール。何もせずに出塁した真姫は不満げで塁上からサインを確認する。
(真姫は脚遅いからエンドランはなし。絵里、にこ、希で繋がってくれればサヨナラにできる。動くなよ)
絵里に全てを託し試合を見守る。しかし、ツバサが再度ギアを上げたことによりストライクが先行。1ボール2ストライクと追い込まれ最後はスライダーを引っ掻けてしまいサードゴロ。無失点に終わってしまった。
(ヤバい。1番からだったのに抑えられちまった。次の回向こうは1番から。ちょっと嫌な予感がするぞ?)
想定しうる最悪の事態に顔が歪む。好打順を逃した音ノ木坂に、A-RISEが襲い掛かる。
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