終われない
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長打かと思われた打球に飛び付く真姫。彼女は滑り込んだままグラブを掲げると三塁審判の右手が上がる。
『アウト!!西木野同級生エースを救う大ファインプレー!!』
「真姫ちゃん!!ありがとう!!」
「あと1人よ!!花陽」
これで勢いに乗ったのか、次の打者を明らかに遅くなっているストレートを中心に三振に仕留める。
「勝負は11回だぞ、ツバサ」
「私たちに回る・・・ね」
勢いが戻ってきた音ノ木坂を見れば、下位打線が歯が立つとは思えない。となれば上位打線。特にA-RISEの肩に期待が掛かる。
「海未、ことり。頼むぞ。んで花陽は絶対バット振るな。次の回からの投球に備えろ」
この回で決められればそれに越したことはないが、手負いの海未、花陽が相手になるとは思えない。となれば期待はことりだが、前の打席の奇跡が何度も起こせるような気がしない。しかもツバサのギアも上がってきている。ここからは長期戦になることは目に見えている。
「ストライク!!バッターアウト!!」
130km前半のストレート。スピードは抑えられつつあるが制球は上がり、安定してきている相手エースに三者連続三振を喫する。
「穂乃果、次の回が勝負だぞ」
相手は下位打線。こちらは上位打線。先に決めることができる確率はこちらの方が高い。しかも後攻めとあればこれほどの条件はない。そのためにもこの回は3人で確実に抑えなければならなかった。
「内野!!強いゴロあるよ!!外野!!後ろからお願いね!!」
「「「「「オッケー!!」」」」」
7番から始まるUTX。先頭をショートゴロ、次打者をセンターフライ、そして9番打者をセカンドフライに打ち取った。
「ツバサ。何がなんでも高坂を打ち取れ」
「もちろん。てかランナーなんか出させる気ないし」
ここまで穂乃果をヒット0に抑えているツバサ。5度目の打席となる彼女は次こそは出塁しなければ気合いを入れる。
(ツバサ。ここはギアを上げていきましょ)
(あら?ちゃんと捕れるの?あんじゅ)
脱力した状態からリリースの瞬間に全神経を集中させる。初球は134km。力が入ったためか高めに抜けたそのボールを見送り1ボール。
(力入りすぎ。ストライクにちょうだい)
(わかってるわよ、うるさいわね)
続くストレートは内角ギリギリに決まるストレート。スピードは135kmと徐々に速くなってきている。
(穂乃果にはここまでストレートがほとんど。追い込むまではストレートが中心になってくるのは間違いない!!)
追い込まれれば何が来るかわからない。そう思いストレートに狙いを定めていたのに、来たのは想定外のスライダー。
「ストライク!!」
これで1ボール2ストライク。追い込まれたこと
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