曇天
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ように言い訳をすることしか出来なかった。それでも七色は母親のことを恨んだりはしていないと、どうしても会ってやってくれと、虹架にはそう伝えることしか出来なかったが――
「もう止めて……私をこれ以上、苦しめないで。お願いだから」
「…………」
「……ごめんなさい。母親失格なのは……分かってるけど」
――沈鬱な母の表情に、茫然自失となって言葉を発することも出来ない虹架に対して、母は何も言わずに家の階段を上っていった。思った以上に否定の気持ちをぶつけられた虹架は、そんな母の背中を追うことも、急に回線が切断されたであろう七色に連絡することも出来ず、ただ立ち尽くすことしか出来ずにいて。
「お母、さん……」
……どうしてこうなってしまうんだ、と答えの出ない疑問を自らに投げかけ続けていたレインが目を覚ますのは、目覚ましのように携帯の着信音が鳴り響くのを待たねばならなかった。
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