夜の涙とあの子と君(2/2)
[8]前話
私は夜が好きじゃない。
夜は、君を悲しくさせるわるいやつだから。
夜になると君はぼろぼろ涙を流す。
大丈夫?どうしたの?
私はいつも尋ねるんだ。だけども、君はなんにも答えない。君が答えたくないなら、無理に答えられても、すっごくごめんなさいって気持ちになるから全然かまわないんだ。
でも、君は優しいから、私を心配させないようにしているから、無理に溜め込んじゃってるんじゃないかって逆に心配してしまう。
私が尋ねたあと、君は大粒の涙をたくさん流しながら言うんだ。
ごめんね、ごめんね。って。
それを見る度に私はとっても悲しくなっちゃうんだ。君はいつも私に新しいことを教えてくれて、楽しい時間を過ごさせてくれてるのに、私はなんにも返せない。
私は君みたいに賢くないから、なんにもできないんだなって思っちゃって、悔しくなる。
だから、とりあえず、私にはこれしかできないから、君を抱きしめて、ぽんぽんって背中を優しく叩く。
ぼろぼろ、ぽんぽん。ぽろぽろ、ぽんぽん。
私が何回かぽんぽんしたときに、君は決まってこう言ってから、眠りにつく。
ありがとう、ありがとう。って。
多分、君は優しいから、私の自己満足でも、涙を頑張って止めてくれているんだと思う。ごめんね、私、こんなことしかできない。ごめんね。
君が寝てから私も眠りについて、君と、他の子達とも楽しく過ごす夢を見て、朝起きて、君と冒険して、夜が来て、君の涙を見る生活を繰り返す。ぐるぐる、ぐるぐる。
この夢が、正夢になったらどれだけいいのかなぁ。
夜は嫌いだ。君を悲しくさせるから。
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