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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第97話 変わり身
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「え、ええ」
サソリは一般男性に比べれば高い声であるが、この目の前にいるサソリは全体的に高く絹のように滑らかな声をしている。
いや声だけでなく外見も少しずつ丸みを帯びた体型になっていき、まるでそう女の子のような......
外套の隙間から見えた細い腕を翻してフラフラと印を結んで更に術で縛り強化した。

すると敵戦力を偵察しに行っていたオールバックの不良が慌てて不恰好な大股歩きで戻ってきて、パニックになりながらもサソリに報告をしていく。
「た、大変だ!あのゼツって野郎の喋り方が変わったと思ったらめっちゃ強くなりやがって頭が飛ばされても動いてやがるし」
「!?マダラが出たか......尾の数は?」
「黒いのが3つだった」
「3つか......恐らくドンドン増えていくな。10本になったら終わりだ」
「ど、どうすりゃ良いんだ!?」
「粉々にすれば多少は時間が稼げるが......とにかく準備が整うまで時間が要る」

サソリがやや焦ったように言い放った所で軽く伸ばした茶髪の男性がポケットに手を突っ込みながら静かに暗闇から抜け出すように現れた。
「!?」
「詳しく聞かせてくれ。その準備とやらをな」
「......?」
「かっ!?」

垣根帝督ー!?

学園都市第2位の超能力者がゲームの攻略法でも探しに来たかのような悪巧みした薄い笑みを浮かべて静かに殺気立ちながら立っていた。

「よう......テメェがサソリか?」
「......誰だ」
「俺を前にして結構な態度だな。さて準備って何だ?」
「さ、サソリさん.....」
婚后が張り詰める空気に震えながらも上空を指差した。
「!?」
まるで空に穴でも空いたかのような黒い物体が徐々に大きくなっていき、圧迫感を覚える。

「あれを処理してから話す」
「その方が良いな......俺の邪魔をするなよ」
「分かってい......!?」
急にサソリが頭を抑えて苦しみ出して倒れ出した。
「「!?!」」
黒い電撃が迸りながらサソリに掛けていた術が解けて、大量の砂の中から10歳にも満たない幼い黒髪の少女が意識を無くして倒れている。
「フウ......エイちゃん!?」
そこには安全な場所へ隔離したと思われていた御坂のクローン体とサソリの傀儡を練り合わせて造られた人傀儡『フウエイ』であった。

******

高速道路で睨み合っていた白ゼツと六道は依然として膠着していた。
レベルアッパーの影響が無くなり、首をポキポキと鳴らすと白ゼツは興味が無くなったように気怠く溜息を吐くと愚痴るように腰を下ろした。
「......!?」
「あー、ダレたね。黒の奴めボクまで切ったか」
「!?」
「この様子だとトビもやられたみたいだし......六道相手に殺し合う程酔狂で
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