第97話 変わり身
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マダラの術により学園都市に降り注いだ巨石が落下する数十分前。
とあるビルの内部にあるゼツの研究室を漁っていた。
ゼツと面識のあった布束が研究室の場所を知っており、この事態の打開するための情報を求めてビル内4回の特別研究室を御坂のハッキングでこじ開けた。
山積みの紙ペーストの資料に試験管で育つ木と融合したような人間の成長記録写真。
泡のように漂っている独特の紋様が描かれた眼。
人間の血反吐がこびり付いた死臭に思わず御坂は顔を歪ませた。
「っ!?」
明らかに倫理的にもコンプライアンス的にも非人道の研究がこの空間で行われていた。
血で固まった点滴の針に悪寒を覚えながらも先に何の躊躇いもなく入った布束とミサカに続いて見えない壁を潜り抜けるように御坂は入る。
い、嫌だ
この場には居たくない
全身の毛が逆立ちながら神経信号が危険だと発しているが顔を叩いて気合を入れた。
しっかりしないといけない!
「死者を蘇らせるってどういう事よ......?」
「見る限りじゃあんまり褒められた研究じゃないみたいね」
「うげげ、人の顔が貼りついているわぁ。悪趣味ね」
巨大な水槽に浮かんでいるに木片に管が繋がっており、目を閉じた成人男性のデスマスクの如き顔が貼りついていた。
それを眺めていたミサカの目が妙にキラキラしているような......ん?キラキラ?
「怖いわね......!?ってか食蜂いつの間に戻ってたのよ」
「レベルアッパーが解除されたからねぇ〜。まあ貧相な身体でも我慢かしら」
「そんなに嫌なら出ていきなさいよ!」
メイド姿のミサカがその場でターンをした。
「見つけた!」
布束は傾いた戸棚の中にファイリングされている分厚い論文を取り憑かれたように何往復も眺めて確認すると水槽が置いてある脇の機械の電源を点けた。
水槽に明かりが点いてより鮮明にデスマスクが浮かんでいる。
「!?」
「ゼツはレベルアッパーの原理を逆手に使って全ての人間を支配下におくつもりだったのよ。全から1ではなく1から全へ」
木山が起こした事件ではレベルアッパー使用者を意識不明に追いやり、利用可能となった脳の回路を使って自分自身の演算回路を飛躍的に上げた。
しかし、ゼツが考えていたのはゼツから特殊な能力を流し、脳の中で何倍にも巨大にさせて回収するというやり方だった。
「木山は命までは取らないつもりで最低限しか利用しなかったみたいだけど、今回はそんな事を考えていないわ」
「つまり......?」
「昏倒した人の呼吸が止まろうが心臓が停止しようが問答無用にゼツに力を与え続けるって事よ......ざっと見積もってもレベルアッパー事件よりも規模は数百倍いや、数千倍に跳ね上がるわ」
「!?」
「でも私のおかげで解除されたんでしょ
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