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DQ8 呪われし姫君と違う意味で呪われし者達(リュカ伝その3.8おぷしょんバージョン)
第十一話:手向けの花は炎の様に
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ているのは変わりなく、もう一度筋肉ダルマを倒すべく、最大級のメラを発動させようとした瞬間……
「マホトーン」

「……」
何とマホトーンで魔法を封じられてしまった!
拙い……このままでは盗賊を一人も倒す事が出来ず、兄様の無念を晴らす事も夢と消える。

だけど、唯やられる訳にはいかない私は、腰に装備しておいた茨のムチを取り出し、一矢報いる準備をする。
「落ち着け、お嬢ちゃん。俺達は盗賊じゃないし、アンタの兄貴を殺してもいない」

「ふざけないで……盗賊の言葉を鵜呑みにすると思ってるの!?」
「だから盗賊じゃねぇって言ってんだろ。頭の悪いネーちゃんだな! 乳にばかりじゃなく、頭にも栄養を回せよ!」
ム、ムカつく男ね!

『待て、ゼシカ……』
リーダー(金髪)の言葉にムカッ腹を立てると、突然聞き覚えのある声が聞こえてきた……
「に、兄様?」
そう……死んだはずのサーベルト兄様の声だ!

『この方々は私を殺した者ではない』
見ると、私が最初に放ったメラで炎上してるリーザス像から、死んだはずのサーベルト兄様の声が響いてくる。
私は持っていたムチを手から落とすと、慌ててリーザス像へと駆け寄った。

「サーベルト兄様! 本当にサーベルト兄様なの!?」
『ああ本当だとも……それよりも聞いてくれゼシカ。そこに居る旅の方々も……』
リーザス像から聞こえる兄様の声は、何かを伝えたくて焦っている様に聞こえた。

『死の瞬間……リーザス像は我が魂の欠片を預かってくださった……この声も、その魂の欠片の力で放っている……だからもう時間が無い……』
つまり兄様は何かを伝え終われば消えてしまうと言う事!?

『像の瞳を見てくれ……そこに真実が刻まれている……さあ急ぐんだ……あの日、塔の扉が開いていた事を不審に思った私は、一人でこの塔の様子を見に来た……そして』
そこまで聞こえると、突然頭の中に映像が映し出され、死ぬ前の兄様の姿が映っていた。

完全武装の兄様は、塔の最上階(この場所)に辿り着くと周囲を警戒している。
しかし一瞬後ろを振り返ると、リーザス像の手前に見慣れない男が立っていた。
兄様は、その男を見るや『だ、誰だ……貴様は!?』と剣へ手を伸ばし威嚇。

『悲しいなあ……』
正体不明の男は不気味な道化師の格好をし、意味不明な言葉を呟く。
『な、なんだと!? 質問に答えろ! 貴様は誰だ。ここで何をしている!?』
しかし怯まない兄様は、道化師に再度詰問を浴びせる。

『くっくっくっ……我が名はドルマゲス。ここで人生の儚さについて考えていた』
『ふざけるな!』
ドルマゲスと名乗る道化師のふざけた態度に激怒した兄様は、一喝と共に剣を抜こうとした……だが抜けない。

『くっ……どうしたことだ? け、剣が…
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