第四十八話 ワイン飲み逃げ
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ているのやら、彼は堅物で困る替え時か。
私のコントロールにおける人物に変えねば成らんな。
放送が始まると、各委員とも最初はせせら笑っていた連中も私もだが、
顔が引きつっていくのが判った。
救恤品を搾取したと言われても、そう言うこともあるだろう、
しかし帝国でも同じ事をするに違いない、
しかも民衆から搾取した物を再配しているだけで、何ら皇帝はしていないではないか。
恐らく搾取したのは末端の不心得者たちであろう。
諜報員とて、帝国も今回紛れ込ましているはずだ、
発見は未だ出来ないが、さらに厳しく取り調べをさせよう。
放送を見終わると、多くの委員が考え深くしているが、
一部委員は馬鹿にしたような顔をしている。
国防委員長は『その様な放送は戯れ言ですぞ、気にする事は無い』と言ってきた。
他の委員もおおむね同じ意見のようだ。
フォンテーヌが大変ですという顔で私を見ている、未だ帝国から何も行ってこないのだから、
慌てる必要はないのだよ。
此処は一つ活を入れてやろう。
「フォンテーヌ君、そんな放送を鵜呑みにしては駄目だよ、
プロパガンダだよ、我々は潔白だと逆に放送してやればいい」
『しかし帝国側から連絡が有った場合はどうなさるのですか』
「同盟と帝国は国交を結んでいないのだよ、国でもない同士が約束事を守る自体可笑しいのではないかね」
『ではどうすれば、無視すればいい或いは事実無根だと突っぱねるだ』
「本当にそんなことが通用すると・」
『フォンテーヌ君!黙りたまえ!!私が最高評議会議長なのだよ!!』
「・・・・・・・・」
『君もそろそろ疲れただろう、国に帰って孫の世話でもしたらどうかね』
「・・・・・・・・・・」
『まあそう言うことだ、くれぐれも帝国の言い分を飲まぬようにしてくれたまえ』
あの男は使えんな、やはり変えよう。
しかし問題はこの事が国民に知れたときだ、フェザーン経由の情報が流れる可能性が有る。
「情報交通委員長」
「なんでしょうか?」
「今の話だが、何れフェザーンからこのニュースが流れる可能性が有る」
「確かにあの守銭奴共なら遣りかねませんな」
「其処でだ、流れる前に此方の都合の良い情報を報道しようと思う」
「でどの様な物を流しますか」
「オリベイラ教授に発表文は作成して貰おう、早急にだ」
「判りました直ちに連絡を入れましょう」
「暫く休憩にする」
・
・
・
・
「お呼びだと聞きましたが」
「オリベイラ教授実はこういう事があってな」
「なるほど、其れならば簡単ですな。
救恤品については既に軍刑務所に居る物を適当に罪を付ければ宜しいかと、
諜報員についは、知らぬ存ぜぬ帝国側のでっち上げだと声だかに発表し、
適当な人
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