10. あなたと二人で、いられる幸せ
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ォーターを買い、それを鳳翔さんに渡した。手に持ってる水筒はひょっとしたらお茶かもしれないけれど、だったらこのミネラルウォーターは、僕が飲めばいい。そう思ったけれど、どうやらその心配はいらないみたいだ。鳳翔さんは、僕がミネラルウォーターを渡すやいなや、蓋をパキッと開けて、静かにくぴくぴと煽り始めた。よっぽど走ってきたんだなぁ……
「ふぅ……落ち着きました。智久さん、ありがとうございます」
「いえいえ」
「それはそうと、みんなはまだですか?」
「まだですが……一緒ではなかったんですか?」
「はい。私は一番最後に出ました。このお弁当の準備があって……」
「……へ?」
どういうこと? 鳳翔さんより先に出発したのに、その鳳翔さんの方が先に到着した? 当然の疑問が沸き起こる……。
「あれ……みんな迷ってるのかな……?」
「そんなことは無いと思いますけれど……」
僕と鳳翔さん。互いに顔を見合わせ、同じ方向で同じ角度に首をかしげる。うーん……他のみんなは、一体どこに行ってしまったというのか……そんなことで頭を悩ませていたら、僕の携帯にメッセージが入った。懐から取り出し、鳳翔さんとともにスマホの画面を覗きこんできた。
「あれ……ロドニーさんからだ」
「ホントですね……連絡先を交換されたんですか?」
「はい。このために」
二人で不思議に思いながら、僕は画面をタップし、ロドニーさんからのメッセージを開いた。
――昨日のお詫びだと言ったはずだ。
今日は二人で楽しんでくれ<スポンッ
こ、これは……鳳翔さんと、再び顔を見合わせた。
「え、えーと……」
「で、デート……ということ、でしょうか……」
デート……その事実が、僕と鳳翔さんの頭を沸騰させた。
「「ボンッ!!」」
非常事態だ……ッ! ここに来て突然の、二人だけのデート……ッ!? 頭の回転にブレーキがかかり、僕の頭の中は、『鳳翔さん』『二人きり』『デート』の3つの言葉だけで埋め尽くされてしまった。
それは鳳翔さんも同じようで、まっかっかな顔でうつむき、お弁当をテーブルにおいて、人差し指をつんつんと突き合わせ、もじもじと恥ずかしそうに悶ている。こんなカワイイ鳳翔さんを見られて幸せ……あ、あー……いやいや。
「……あ」
「?」
フと鳳翔さんが声を上げた。
「えっと……ど、どうかしたんですか?」
「お弁当……みんなの分も作ったんですが……」
そういえば、最初はここでみんなで鳳翔さんのお弁当を食べる予定だったんだもんなぁ……これはちょっと、ロドニーさんに文句を言った方がいいだろう。いらないならいらないで、作る人にはキチンと伝えるべきだ。特に、鳳翔さんならッ!
僕はスマホを操作し、ロドニ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ