ペルソナ3
1912話
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別に構わないだろ? まさか、迷子って訳じゃないし」
周囲を見回す順平に、友近がそう告げる。
実際、別に常に一緒に行動をしなければならないって訳でもない以上、別々に行動しても特におかしい事はない。
結果として、それ以上は特に気にする事もなく、体育館に向かう。
まだ昼休みが終わってはいないので、体育館の中ではバスケをしている学生や、壁に寄りかかって会話をしている者達の姿がある。
そして、バスケをしている生徒達を見て、宮本が嬉しそうな表情を浮かべる。
まぁ、ここ数日はずっと勉強、勉強、勉強といった感じで、身体を動かす事なんて殆どなかったしな。
もしかしたらランニングくらいはしていたのかもしれないが、宮本にとってはそれでも全く足りなかったんだろう。
「な、なぁ、アルマー。俺達もやらないか?」
「俺か? まぁ、時間はあるからいいけど……1対1でやるのか? それともあっちに混ぜてもらうのか?」
バスケの場合は、1on1って表現するんだったか?
ともあれ、どうする? と宮本に視線を向けて尋ねる。
「あー、そうだな。向こうに混ぜて貰おうぜ。どうせなら大勢でやった方がいいし。ちょっと話をつけてくるから、待っててくれ」
そう言うと、宮本は素早くバスケをしている連中に近づき、何かを話し掛ける。
元々宮本の友人とかだったのか、お互いに友好的な雰囲気で話をし……そして宮本が俺の方を見て、その友人達も俺の方を見た瞬間、何故かジト目になる。
「ふ……ははははは、ふはははは! いいだろう、岳羽さんの目を覚まさせる為に、俺は、アルマーをバスケで倒してやる!」
何か変なスイッチが入ったかの如く、叫ぶ男。
いやまぁ、何が原因でそのスイッチが入ったのかは、考えるまでもなく明らかだが。
恐らく……いや、間違いなくあの男はゆかりに対して好意を持っているのだろう。
それも、単純に好ましいといった意味での好意ではなく、恋愛感情的な意味での好意を。
「……って事だけど、どうする?」
宮本が俺の方に向かってそう尋ねてくる。
ちなみに、ゆかりに恋をしている男と一緒にバスケをやっていた連中は、俺に向かって申し訳なさそうな視線を向けていた。
友達が迷惑掛けてごめんとか、そんな感じで。
こうして見る限りだと、あの男も困った奴だとは思われてるけど、同時に友人からは好かれているんだろう。
「まぁ、俺は構わないさ。相手になってやろう」
実際、敵視されたからといって、特に何か不都合がある訳でもない。
いや、本当に何らかの理由を作って妙な真似をするのであれば、こっちも対処をする必要があるだろう。
だが、向こうはバスケでこっちに挑もうとしているのだから、特に問題はない。
「よっし。
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