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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0256話『長波の喜び』
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「そんじゃ少しみんなに話してくるよ」
「そうか、わかった。それじゃさっそく演習に入れておくから準備はしておいてくれ」
「了解!」

それで長波は執務室を出て行った。








やった! まさか夕雲型で最初に改二が来るなんて嬉しいぜ!
あたしは提督から聞かされた内容に少し浮かれながらも夕雲姉の部屋へと到着した。
扉をノックすると中から夕雲姉の声で『はーい!』と聞こえてきたので、

「長波だ。入ってもいいか?」
『大丈夫よ』
「そんじゃ入らせてもらうわ」

中に入るとやっぱりと言うべきか巻雲が一緒にいた。

「長波? どうしたの?」
「長波さん……?」
「いや、なんでもない……」

二人の不思議そうな表情を敢えて見なかったことにして、

「それより夕雲姉、聞いてくれよ! 例の夕雲型の改二の件なんだけどさ……!」
「あら? もしかして……長波さんだったんですか?」
「って、気づくのが早いよ!」

アタシは早速とばかりにつまづいてしまった。
だけどそれを聞いて巻雲が「えー!?」って声を上げながら、

「長波だったのですか!? いいなぁ〜……」
「まぁな。だから先に行かせてもらうぜ」
「ずるいですよー!」
「まぁまぁ、巻雲さん落ち着いて……いいじゃない? なかなか来なかった夕雲型についに改二の光が差したんですから素直に祝福しましょう?」
「うー……夕雲姉さんがそう言うなら従うけどー……」

巻雲はそう言って引き下がっていった。
さっすが夕雲姉だな。心が広すぎるぜ。

「それで長波さん。他の方にはまだ……?」
「ああ。まだ二人にしか話していないよ」
「そうですか。それじゃすぐにみなさんを呼びましょうか」
「それはとてもいいと思うー! さすが夕雲姉さん! 長波ー? 覚悟しておくんだねー?」
「お、おう……巻雲が言ってもなんか迫力がないけどわかったぜ」
「なにをー!」

袖をパタパタさせながら怒っているけど、いや本気で迫力がないねぇ。
まぁそこが巻雲らしいけど。
それから他のみんなも夕雲姉の部屋へと呼ばれてぞくぞくと集まってきた。
そしてあたしの改二の情報を聞いたのか、

「長波姉さま! 改二、おめでとうかも!です……」
「あんがとな、高波!」
「はいです!」

さっそく高波がアタシの事を自分の事のように喜んでくれた。
高波はあたしになついているからなぁ……。嬉しくなるぜ。

「はぁー……長波姉様に先を越されちゃったかー。でも、清霜もこれから頑張るよ!」
「その意気だぜ清霜。あたいも練度は充分だから後は待つだけだしなー」

そうなんだよなー。朝霜だけはうちらの中で一番の高練度(97)だからなー。先制対潜組はやっぱり違うよなー。

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